吉川晃司が語る「舞いあがれ!」撮影ウラ話「大河内教官は、当初の案ではもっと怒る人だったんです」「目黒蓮君は苦労人で真面目」
ミュージシャンの吉川晃司(57)が単独インタビューに応じ、航空学校・帯広校教官・大河内守役で出演中のNHKの連続テレビ小説「舞いあがれ!」(月~土曜午前8時)のこと、俳優業のこと、音楽活動のことなどについて語った。「鬼の大河内」とは違う柔和な素顔ものぞかせた。
「大河内守は孤高。そもそも自分と航空学校の若者しかいませんから(笑)。気がつくと、どうも以前から孤高のキャラを任されることが多いんですよ。大河ドラマ『天地人』(2009年)の織田信長がそうでしたし、『日曜劇場 下町ロケット』(2015年、18年)の財前道生なども。そういった男がドラマに登場する時、僕の名前が挙がるみたいです」
俳優の仕事は、コンサートなどの音楽活動と撮影が重ならず、なおかつ興味を持った役柄なら引き受けてきた。ただし、恋愛ドラマはやらない。
「一切興味がないんです。恋愛は当の2人が勝手にやっていればいいと思っていますから(笑)。興味があるのは人間ドラマ、アクション、SF、時代劇です。本当はハードボイルド的な世界が最も居心地が良いんですが、それって現代劇ではほぼ死滅していて、SFと時代劇くらいにしか存在しませんからね」
「舞いあがれ!」は人間ドラマ。その上、大河内は若きパイロットの卵たちの前に立ち塞がる壁という設定だから、ハードボイルド色もある。役を引き受けたのもうなずける。
また、大河内は「鬼教官」と恐れられているものの、風邪をひいた航空学生の主人公・岩倉舞(福原遥[24])にアイスを差し入れるなど心根はやさしい。吉川さん自身が好むタイプの人間なのではないだろうか。
「というより、好きなタイプの人間に少し寄せてもらいました。当初の案では、もっと怒る人だったんですよ。『コラッ! 聞いてるか!』みたいに。ただ、放送が朝なので、怒声は聞きたくないでしょう。だから僕が演出陣に対し『もう少し大河内の口調を丁寧にしたら、どうでしょう』と提案したら、すぐに『あっ、そうですね』と受け入れてくれました。そんな大河内もアリだと演出陣も思っていたんじゃないでしょうか」
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