巨人、オコエ瑠偉を獲得した思惑 丸佳浩はライトに配置転換でいいのか【柴田勲のセブンアイズ】

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特別枠を初適用

 12月9、10日と沖縄県那覇市で開かれた名球会の総会・イベントに出席した。

 ご存じの方も多いと思うが、山本浩二理事長に代わって古田敦也副理事長がその座を引き継いだ。私は理事を務める。

 総会では元阪神・藤川球児と元巨人・上原浩治の「特例枠」での入会が正式に承認された。二人の成績は日米通算2000安打、200勝、250セーブの基準を満たさないが、それに準ずる功績を残しているということで入会の運びとなった。総会では会員の4分の3以上の賛成が得られた。

 現役の名球会会員は、打者48人に対して投手が15人と圧倒的に少ない。投手は入会のハードルが高いのだ。今後も何人の投手が入れるかわからない。それなら180勝に下げればいいとなるが、それはできない。以前から懸案事項となっており、2019年に特例枠が創設されていた。今回は初の適用だ。

 藤川は日米通算61勝164ホールド245セーブ、上原も日本人選手で初めて日米通算100勝100ホールド100セーブを達成している。推薦されて入会できるだけの成績だと思う。二人はメディアを通しての発信力も高い。これからも頑張ってほしい。

オコエ瑠偉を獲得

 さて出場機会の少ない選手の移籍活性化を目指して「現役ドラフト」が初めて開催された。各球団が任意で2人以上のリストを提出し、全球団が1人以上獲得、1人以上が他球団に移籍するシステムだ。埋もれた選手に活躍の場を与える。球団にしても新たな補強となるとお金がかかる。選手、球団の双方にありがたい話だと思う。

 巨人は楽天からオコエ瑠偉外野手(25)を獲得した。左腕の戸根千明が広島に移籍した。広島の新井(貴浩)新監督と那覇で話をした。チームは左のリリーフ不足ということで「期待しています」と楽しみにしていた。

 巨人だが、また外野手だ。なぜ取ったのか。どんな役割を期待しているのか。

 というのも巨人は新外国人候補として、前サンフランシスコ・ジャイアンツのルイス・ブリンソン外野手(28)を調査しているという。強肩強打の持ち主で中堅を守ることができる守備力を高く評価している。メジャーでは守備に就いた333試合すべて外野手としてプレーし、中でも中堅が229試合と最も多いという。

 原辰徳監督はこのブリンソンを中堅で起用し、不動の中堅・丸佳浩を右翼に回す構想を持っていると聞く。オコエもおそらく中堅での起用だろう。さらにドラフト2位の萩尾匡也外野手、増田陸と中堅候補がひしめく。

 丸を右翼に配置転換する原構想はどうかと思う。センターは一応「外野のキャプテン」的な立ち位置だ。その動きで右翼、左翼を動かしていく。丸はこれまでセンター一筋でプレーしてきた。外国人選手を置くよりも丸の方が収まりはいいのではないか。

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