巨人・原監督「オコエ瑠偉」獲得の“下心” 中田翔の次に狙う“二匹目のどじょう”とは?

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ノーリスク・ハイリターン

 原監督は巨人監督としてV9の川上哲治氏や長嶋茂雄氏らをも抑え、歴代1位の勝利数を誇る。リーグ優勝7度、日本一は3度。それでも、押しも押されもしない名将の地位を確立したとは言い難い。

「巨大戦力の巨人は優勝しても当たり前との認識がある。生前、ノムさん(故野村克也氏)も原監督については、戦力不足のチームでやりくりしながら優勝してこそ名将と言い切っていた。原監督も、そこが欠けているという自覚があるのではないか。オコエを覚醒させれば監督の手腕となり、覚醒しなくても、ダメ元の移籍だからリスクがない」(同)

 巨人は来季、丸佳浩外野手を中堅から右翼へ配置転換する。空いた中堅は今季1軍デビューしたばかりの増田陸、慶大からドラフト2位入団した萩尾匡也両外野手らがしのぎを削ることになる。鳴り物入りの1位ルーキー、浅野翔吾外野手も将来的には中堅でレギュラーを狙う。

 1軍で通算236試合に出場したオコエは実績ではライバルを上回り、増えすぎた体重などコンディションを整えれば、定位置争いは面白くなりそうだ。「打撃は、大久保(博元1軍打撃チーフ)コーチがアーリーワークなどで徹底的に振り込ませるはず。(現役時代に走塁のスペシャリストだった)鈴木(尚広外野守備走塁)コーチが復帰する。打撃、守備走塁でのオコエ覚醒に向けて、首脳陣も盤石の体制」(巨人担当記者)

 今オフはソフトバンクで戦力構想から外れた松田宣浩内野手、広島から出戻りの長野久義外野手を獲得した。原監督の指導力としては、野村氏の代名詞だった峠を過ぎたベテランを復活させる「再生工場」の成否が焦点の一つだが、「更生施設」として機能させられるかどうかもお手並み拝見となった。

木嶋昇(きじま・のぼる) 野球ジャーナリスト

デイリー新潮編集部

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