巨人・原監督「オコエ瑠偉」獲得の“下心” 中田翔の次に狙う“二匹目のどじょう”とは?

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楽天では手の施しようがなかったオコエ

 プロ野球巨人は12月9日に初開催された「現役ドラフト」で楽天のオコエ瑠偉外野手を獲得した。東京・関東一高時代に俊足、強肩で甲子園大会を沸かせ、ドラフト1位入団した「スピードスター」も芽が出ないまま25歳に。11月28日付のデイリー新潮で、かねて現役ドラフト要員ではないかとの観測が浮上していると報じた中で、名門球団が指名に至った(オコエ瑠偉に“現役ドラフト”観測 来季年俸「非公表」で楽天と密約説 https://www.dailyshincho.jp/article/2022/11281701/)鳴かず飛ばずだった「未完の大器」を選んだ、原辰徳全権監督(64)の胸中とは――。【木嶋昇/野球ジャーナリスト】

 近年、オコエほど才能を持てあました選手はいただろうか。ナイジェリア人の父を持ち、抜群の身体能力を授かった。しかし、ホームランに固執した打撃は粗さが解消されず、過剰な自己評価やムラっ気、コーチの助言を聞き流すことなど野球への向き合い方にも甘さを露呈し続けた。

 いつしか話題は、年俸より高額な乗用車の購入などグラウンド外に移行。今季の出場はわずか6試合にとどまった。確かに球界でも屈指の陣容を誇る外野陣の中に埋もれた不幸はあるものの最早、ファンやメディアが寛大な楽天では手の施しようがないとされていた。

 オコエは今オフ、秋季キャンプに参加しなかった。11月下旬の契約更改交渉では年俸を非公表にした上、サイン後の取材にも応じなかった。一連の措置は、球団が現役ドラフトを見据えたものとみられたが、その通りの結末になった。

 ただし、今回の巨人移籍を受け、専門家の評価はポジティブなものが大半を占める。「巨人はオコエが生やす髭以外に、茶髪禁止の規律がある。メディアの監視も厳しく、再出発には最適な環境。原監督はチームへの献身、忠誠を強く求める。逆に言うと、甘えが許されなくなる巨人で這い上がってこられなければ、ユニホームを脱ぐしかないということ」(元NPB球団監督)

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