W杯を中継したABEMA、NHK、テレ朝、フジ 中継していない民放も…実は誰も笑えない現実

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 日刊スポーツは12月5日、「【W杯】悲鳴上げるテレビ局『出せる金額ではない』無料放送の限界域へ高騰続ける放送権との攻防」の記事を配信、YAHOO!ニュースのトピックスに転載された。担当記者が言う。

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「記事によると、1998年に行われたフランス大会の放映権料は約6億円だったそうです。NHKが単独で購入し、全64試合を独占放送しました。ところが2002年の日韓共催大会では185億円。その後も高騰が続き、今回のカタール大会では350億円と言われているそうです」

 14年のブラジル大会までは、NHKと民放が共同で放映権を購入していた。ところが18年のロシア大会でテレビ東京が降り、今大会では日本テレビとTBSが後に続いた。

「予選で敗れると3試合しか放送できません。NHKが1試合の放映権を得れば、残りは2試合です。特に民放キー局には割の悪い投資と言えるでしょう。結果、カタール大会で放映権料を負担したのはNHK、フジテレビ、テレビ朝日の3局と、衛星放送のスカパー、インターネットテレビのABEMAでした」(同・記者)

 ニュース番組などでW杯の映像を放送するにも使用料を払う必要がある。そのため日テレとTBSは1億5000万円を支払ったとされている。全く支払わなかったテレビ東京は、静止画しか使えなかった。

 デイリー新潮も11月26日、「テレビ東京が『W杯日本勝利』を静止画像でしか扱えないワケ 勝村政信MCのサッカー番組はどう切り抜ける?」の記事を配信した。

 文中ではテレビ東京とテレビ朝日の関係者が取材に応じ、「ここまで放映権料が高いと大変だ」と苦しい心のうちを明かしている。

「勝者なし」の現実

 決勝トーナメント1回戦の日本対クロアチア戦の視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区、リアルタイム。以下同)を確認しておこう。

 12月5日午後11時40分からフジテレビ系列で放送され、世帯視聴率は34・6%、個人視聴率は20・2%、占有率は86・5%に達した。

 ABEMAの場合、日本が先制点を決めた直後にアクセス制限を開始。最終的な視聴数は2343万と発表された。

 いずれも驚異的な数字だ。グループリーグの3試合も高い視聴率を記録したことから、放映権料を払ったNHK、テレ朝、フジ、そしてABEMAが大笑いしていると思う向きもあるだろう。

 だが、結論から言えば“勝者は誰もいない”のが現実という。日本テレビの関係者は「むしろ、こんなもので済んだのかと局内は安堵しています」と明かす。

「確かに弊社も視聴率で苦戦しています。W杯のニュース映像の使用料として1億5000万円を支払いましたが、それでも使いたい放題はできない契約になっています。結果、朝昼の情報番組や夜のニュース番組で充分に詳報できず、視聴率は普段より1割ほど下落しました」

 制作サイドから強い不満が出たため、上層部は社員に“メッセージ”を送ったという。

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