小鳥や金魚の埋葬はどうするべき? 小動物の「弔いキット」が発売、驚きの材質と使用方法
幼い時分、飼っていた小鳥や金魚が死んだ時にどう扱ったかご記憶だろうか。小動物でも大切に弔いたいと考える飼い主向けの“埋葬キット”が発売された。その名も「小動物だって弔(とむら)ってあげたい」。開発したのはステンレス製のエンジン部品などを扱う名古屋市の専門商社「佐久間特殊鋼」。
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それにしてもずいぶん畑違いに映るが、どうして?
「EV化で自動車業界は転換期を迎えています。変化に対応するため2019年にスタートアップデザイン室を創設。新規事業のアイデアを募ったんです」
とはスタートアップデザイン室の杉山英彦室長。
「アイデアの一つがインドネシアの現地法人からのもので、現地で使うキャッサバの袋を日本で売れないかという案でした」
キャッサバはタピオカの原料ともなる芋で、それで作られた袋は土に埋めると約3カ月で分解され、インドネシアでは環境保護のためレジ袋などでの使用が勧められている。ただ、日本では値段がポリ袋の数十倍もして、多方面へ営業をかけるも残念ながら取り扱ってはもらえなかった。
「飼い主の気持ちに少しずつ整理がつくように」
しかし、大学生が商品の企画力を競う「Sカレ」で活路は開かれた。
「企業からのお題に学生が商品企画を出し合って競うもので、そこに『生分解性エコ袋の日本展開』というお題を昨年出したところ、15ゼミからエントリーが。その中で目に留まったのが、神戸大のゼミ生が提案してくれた『小動物の供養キット』でした」
学生たちの企画の契機は、
「人には葬式、犬や猫にはペット葬があるが、小動物や昆虫では思いつかない」
という点だ。小動物の供養に関するアンケートをとっても「死骸はゴミ箱に捨てた」「知らない」という回答が目立った。
商品は学生と共同で開発。
「埋葬キットはキャッサバ製の小さな『装束袋』と大きな『棺(ひつぎ)袋』からなります。装束袋にはメッセージ用のスペースがあり、お別れの言葉を書き込めます。これに亡きがらを包んだあと、ペットが好きだった食べ物や花などと一緒に棺袋にくるんであげるのです」
袋はともに半透明だ。
「くるんでいくとだんだん亡きがらが見えなくなっていきます。飼い主の気持ちに少しずつ整理がついていくようにしたわけです。ペットとの最後のひと時を大切にすることに徹底的にこだわりました」
その棺袋を埋葬すれば、袋は土の中で自然に分解される。体長20センチぐらいまでなら対応でき、10月から大手ペットショップなどで販売が始まっている。価格は1200円前後だという。
小動物を丁寧に供養する習慣を根付かせることで、ペットの不法投棄といった社会問題の解決につなげていきたいといい、今後、墓標をつけるなどの展開や世界進出も視野に入れている。