「おでん東大」店主殺害事件 かつての“風俗街”復興のヒーロー「娘婿」が逮捕された、沖縄の深くて暗い闇

国内 社会

  • ブックマーク

事件現場となった“栄町”

 今年8月上旬、沖縄県那覇市の盛り場・栄町にある老舗の酒場「おでん東大」の店主、長浜美也子さん(当時58)が、店舗二階の倉庫内において心肺停止状態で発見され、まもなく死亡が確認された。警察は事件、事故の両面から捜査していたが、約3ヵ月が経った11月6日、娘夫婦である許田美香容疑者(34)と許田盛哉容疑者(34)が殺人の疑いで逮捕された。

 この事件を語るには、“栄町”という盛り場の成り立ちに触れる必要がある。

「おでん東大」の現在の住所表示は「那覇市安里」(あさと)だが、もともとは那覇市とは異なる真和志市という自治体に属する地域で(1957年に那覇市と合併)、戦前戦中には、「ひめゆり学徒隊の悲劇」で知られる沖縄県立第一高等女学校があった場所だ。...

つづきを読む