また判明したロシア軍のグダグダ ロシア本土攻撃に使われたウクライナ軍“特製ドローン”の正体
オンボロ“ゲパルト”の大活躍
ロシア軍が発表した内容よりも、実際はもっと大きな被害が出た可能性もあるという。
「ロシア軍の報道官が『軽微な被害』と言っていましたが、いわゆる“大本営発表”の可能性があります。なぜなら、ツポレフ95は初飛行が1952年という古い機体です。そのため補修部品が枯渇しているかもしれません。ちょっと被弾しただけでも、簡単に修理できないのだとしたら、たちまち爆撃機の運用に支障を来すでしょう」(同・軍事ジャーナリスト)
さらに深刻なのが、「ウクライナのドローンがロシアの領空を数百キロにわたって飛んだ」という事実だ。ロシア軍は真っ青になってもおかしくないという。
「ドイツはウクライナに『ゲパルト自走対空砲』を供与しています。西ドイツ時代の1973年に配備が開始されたという、まさに”老兵”といった兵器です。ところがこのゲパルトは、ロシアが放ったイラン製の自爆ドローンを次々に撃墜しているのです。ウクライナ政府が動画を公開しています」(同・軍事ジャーナリスト)
ロシアの攻撃により、ウクライナの国土と国民は甚大な被害を受けている。それでもウクライナ軍は、ロシア軍の自爆ドローンを迎撃している。
軍律の崩壊
ところがロシア軍は、少なくとも国内では被害が出ていないにもかかわらず、ウクライナ軍のドローンを迎撃することができなかった──。
「ロシア軍の面子は丸潰れです。何しろソ連時代から防空ミサイルシステムの整備に力を注いできたはずなのです。昔からソ連空軍ではアメリカ空軍に勝てないことは明らかでした。もし戦争になれば、NATO(北大西洋条約機構)軍に航空優勢を確保されないよう、ミサイルでアメリカ空軍機を撃墜するドクトリン(基本原則)だったのです。ところが今回、かなり大きなドローンが領空に侵入しても発見や迎撃ができず、あろうことか万全の防空体制を敷いているはずの航空基地への攻撃を許すという大失態を犯してしまいました」(同・軍事ジャーナリスト)
ウクライナの最前線で、ロシア軍の軍律は崩壊しているとも言われている。だがひょっとすると、国内でも似た状況かもしれない。
「ロシア軍の厭戦気分が深刻なレベルに達しているのかもしれません。そう考えないと、説明がつかないほどの大失態なのです。いずれにしても、戦果を知ったウクライナ人は鼓舞されたでしょう。ゼレンスキー大統領は、国内に厭戦気分が蔓延することだけは絶対に避けたいはずです。その点だけでも、ドローンによる飛行場攻撃は意味があったと考えられます」(同・軍事ジャーナリスト)
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