大臣が3人も交代した臨時国会が閉会 最後まで抵抗していた「寺田総務相」が更迭されたワケ
センスのなさを露呈
12月10日で69日間の臨時国会が閉会する。大臣が3人、内閣を去り、もう1人も来年の通常国会前にはいなくなっている可能性が高いと見られている。わずか1カ月の間に更迭された3人のうち、最後まで抵抗を続けると見られたのが寺田稔総務相だったが、彼が更迭されるに至った理由とは何だったのか?
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「山際大志郎氏は問題が発覚した当初、旧統一教会との関わり合いを表立って口を開くことなく、大臣留任が決まってから自身で説明をし始めました。そのためこの臨時国会で早い段階で野党側からターゲットとなっていました。留任させた岸田文雄首相のセンスを疑うとの声が多く聞かれました」
と、政治部デスク。
「続いて、葉梨康弘氏は“死刑のハンコ”発言で、法相として最も言ってはいけないことを、しかもこれまで何度か重ねていたことがわかりました。これもすぐにクビにしなかった首相のセンスのなさが指摘されました」(同)
相前後して国会で追及されていたのが寺田稔総務相だった。
「首相と同じく広島出身で東大法→大蔵省を経て、2004年の衆院補欠選挙に出馬して初当選しました。この選挙は、寺田氏の妻の義理の叔父にあたる池田行彦元外相の死去を受けてのものでした」(同)
首相も寺田氏も
ちなみに妻の祖父が、宏池会創設者の池田勇人元首相に当たる。つまり、絵に描いたようなサラブレッドの寺田氏は当選6回で、今回が初入閣だった。
「宏池会の中でも特に首相が期待をかけており、早い段階で入閣が取り沙汰されていました。しかし、総務相就任後から、政治資金のズサンな管理をネチネチつかれ、脱税疑惑などと報じられました」
脱税が疑われたのは、寺田氏の妻が代表を務める政治団体が、地元のスタッフらに人件費を支出しているのに税務申告していないというものだった。
「寺田氏もそれなりに説明していましたが、答弁にはつたなさが目立ちましたね。さらに故人名で政治資金収支報告書を提出していたことが判明するなど、形式犯的な内容とはいえ、管理体制の不備が問われ続けました。これらの報告書を管轄する総務省のトップであることも、追及の追い風となりました」(同)
もっとも、寺田氏のみならず岸田首相も辞任や更迭には全く前向きではなかったという。
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