医療機器の“中国製偽造品”相乗り出品で損害 巨大IT「アマゾン」を訴えた中小企業の意地

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出品停止

 以降も信じがたいことが続いた。

「製品のカスタマーレビューには“電源が入らない”“数値が滅茶苦茶”“日本製だと信じたのに、まんまと騙された”などの書き込みが並びました。会社にもひっきりなしに苦情の電話がかかってきた。アマゾンには再三、マーケットプレイスからの偽造品の削除を要請しました。しかし、規約違反が判明したら対応するとの紋切型の回答を寄越しただけでした」

 悪評レビューが影響し、アマゾンでの売上はガタ減り。一昨年9月から昨年8月まで月平均2800万円あった売上が、昨年9月は350万円、10月には60万円にまで落ち込んだ。そればかりか、偽造品は放置されたまま正規品が締め出されてしまう事態に。

「マスクなどで悪質な高額転売が行われ、その防止にアマゾンが取り入れた対策のためでした。中国の相乗り業者は、2200円や2400円という値段でパルスオキシメーターを出品していました。当社の最上級モデルの定価は2万5740円。価格設定が高過ぎるとの理由で、アマゾンに出品停止にされたのです」

 中国の相乗り業者の登場以降、被った損失は5億5000万円に上るという。

「週刊新潮」2022年12月8日号「MONEY」欄の有料版では、アマゾンマーケットプレイスにおける相乗り出品の実態と訴訟に至る経緯を詳報する。

週刊新潮 2022年12月8日号掲載

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