医療機器の“中国製偽造品”相乗り出品で損害 巨大IT「アマゾン」を訴えた中小企業の意地
偽造品
神戸市の医療機器メーカー「トライアンドイー」と販売会社の「エクセルプラン」が、今年9月、「アマゾン」を相手取って計2億円の損害賠償請求訴訟を東京地裁に起こした。訴訟の背景に横たわるのは「ヤフー!ショッピング」や「楽天市場」にはない、アマゾン独特の「相乗り出品」というシステムだった。
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問題となったのは、「パルスオキシメーター」。指を挟めば血中酸素飽和度を測定できる医療機器で、コロナ禍に需要が急増したものの一つである。これを「アマゾンマーケットプレイス」に出品したところ、別の売り手によって、「競り市」のように相乗りでマーケットプレイスに商品が並べられていたのだ。
トライアンドイーの藤井敬博社長によると、
「昨夏から、中国の河北省ケイ台市や広東省広州市の業者らが次々と、“偽造品”を相乗り出品するようになったのです。デザインはそっくりで、製造・販売元として当社の名を騙っていた。試しに購入してみたら、包装のパッケージからして、あからさまに中国製でした」
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