C・ロナウドに「早く出ろ」、日本代表に「突破は憎らしい」…お騒がせの韓国代表チョ・ギュソンは“サッカー界のBTS”
C・ロナウドの発言内容
こうした紆余曲折を経て、チョ・ギュソンは韓国代表に選抜された。そして“舌禍事件”を引き起こしたわけだが、C・ロナウドに対する発言と、日本代表に対する発言では、韓国社会で受け止めが異なるという。
「C・ロナウドへの抗議は、韓国国内で圧倒的に支持されています。そもそも韓国のサッカーファンとC・ロナウドとの間には“軋轢”があります。19年、当時、彼が所属していたセリエAのユベントスが来韓し、Kリーグ選抜との親善試合を行うことになっていました。しかし、C・ロナウドは無断欠席。そのため、もともと韓国サポーターはC・ロナウドに批判的でした」(同・ジャーナリスト)
ポルトガル戦の展開や、C・ロナウドがチョ・ギュソンに言い放った“悪口”も、韓国の世論に影響を与えたようだ。
「『同点になった、次は逆転だ』と韓国サポーターは盛り上がっていました。そのためC・ロナウドの動きが遅延行為に見えたのだと思います。さらに試合後、チョ・ギュソンはC・ロナウドの発言から聞き取れたポルトガル語をマスコミに明かしています。それによると、相当な卑語のようなのです」(同・ジャーナリスト)
チョ・ギュソンが「早く出ろ」と言い、頭に来たC・ロナウドが「このクソ野郎」と返した──実際はもっと卑猥な単語だった──というのが真相だという。
「本当にC・ロナウドが卑語をチョ・ギュソンに言い放ったのなら、彼を罵倒するためと受け止められても仕方ありません。そのため韓国世論は『無礼なC・ロナウドにチョ・ギュソンは一歩も退かなかった』と称賛しているというわけです」(同・ジャーナリスト)
誘導尋問
一方、日本代表に対する発言について韓国世論は、記者の質問内容を疑問視しているという。
「記者が『憎らしくも感じましたが、どうでしたか?』と質問し、それにチョ・ギュソンが乗せられてしまった面があると思います。こうした質問が出る背景として、韓国メディアが日韓の“競争”を煽るという体質を指摘することはできるでしょう。スポーツに限らず政治でも経済でも、“韓国が日本に勝った、負けた”という記事を韓国メディアは量産し、それがよく読まれるという現実があるのです」(同・ジャーナリスト)
韓国サッカー界の“プライド”もある。例えば、2002年の日韓共催W杯で、日本代表はベスト16で敗退したが、韓国代表は準決勝まで駒を進めた。
「やはり韓国のサッカー関係者には、『アジアにおけるサッカー強国は日本ではなく韓国だ』という自負や面子があるのだと思います。ましてポルトガルを撃破して劇的なグループリーグ突破を決めた直後のインタビューですから、チョ・ギュソンも興奮状態にあったに違いありません。普段より口も軽くなっており、記者の“誘導尋問”に思わず乗せられてしまったのでしょう」(同・ジャーナリスト)
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