ABEMAはサッカー業界の“救世主”? 解説の本田圭佑も藤田社長の友人
12月2日、カタールW杯グループリーグで日本は強豪スペインを2-1で下し、2大会連続の決勝トーナメント進出を果たした。ところで、今回のW杯はABEMAが全試合を無料中継して話題になっている。この動きに対して「サッカー業界の救世主」と称賛する声も上がっているという。
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今回のW杯は、サイバーエージェントがテレビ朝日と運営するABEMAが、全試合を無料生中継して話題になっている。さるサッカーライターは、
「テレ朝からサイバーエージェントの藤田晋社長に話が行ったとのこと。テレビ局には手が出ないほど放映権料が高騰し、それも何億円の差ではなく桁違いだったと。全体で400億円で、半分はABEMAが買ったと聞きます。日本のW杯出場が決まる前に、時差が6時間あるカタールでの試合のライブ配信を決めたわけですが、藤田さんはリスクを承知で決めた。放映権料高騰のせいで、日本でW杯がいままでのように見られず、サッカー離れにつながる危険性もあったので、サッカー業界にとっても救世主です」
と語る。元日本代表の本田圭佑の解説が話題だが、
「藤田社長と本田さんは友人で、本田さんは藤田社長に頼まれて決めたと。本田さんは解説者としてはまったく未知数でしたが、藤田社長は“自由にやってもらえれば”と伝えたそうで、本田さんは、やりたいことをしたらウケたというイメージですね」
だが、サッカー離れのリスクは防げても、日本代表のリスクは消えていない。
「コスタリカ戦は日本がいろいろ後手を踏み、以前から指摘されていた課題が顕在化した。前半0対0ではなく、もっと攻めにいってほしかった。積極性を欠くと負けにつながることも多いと思います」(サッカージャーナリストの元川悦子さん)
カタール開催のリスク
その一方、今回はカタールで開催されたというリスクもあった。カタール現地で取材する記者が説明する。
「開催地を決める投票権を持つFIFA理事らを、カタールが接待していたのは、報じられている通りで、中東のお金を利用した大会です。結果、猛暑の国なので冬開催になり、特に欧州はシーズン中なので、通常は中4日や5日のところ、中3日で試合を行うことになり、けが人も続出し、批判は多いです。また、カタールでは性的マイノリティーの人権が無視され、移民労働者が過酷な環境で数千人死亡したという問題があって、特にドイツなどでは、国内世論がW杯に反対し、代表選手もインタビューで人権や差別のことばかり喋っていて、サッカーに集中できなかったこともあります」
日本がDFの酒井宏樹や冨安健洋をケガで欠いた原因も、カタールという開催地と切り離して考えることは難しいだろう。とはいえ、どんな条件でも勝てる力をつけることが先決。日本にとっては、相手の守りを崩しきれないという弱点を克服し、力で天国を呼び寄せてもらいたいものだ。