浅野や田中を1~2人目で起用していたら、PK戦はもう少しもつれたのではないか

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必要な3BKの検証

 こうした失点シーン、ペリシッチのゴールを見て思ったのは、“3BKの弊害”である。森保ジャパンはこれまで多くの試合でフラットな4BKを採用してきた。

 相手CFに対しては2CBがマークを受け渡しながら対応する。サイドMFの攻め上がりは両SBの担当となる。

 しかし今大会に入り、ボールポゼッションで劣勢が予想される相手には3BK、実際には5BKで対応してきた。

 ところが前述したように、スペイン戦ではモラタを、クロアチア戦ではペリシッチをフリーしてゴールを許した。右WB(ウイングバック)の伊東は本来、攻撃力を買われての起用であり、彼を責めることはできない。

 となれば、これはもちろん結果論であるが、3BK(5BK)で成功した部分はあるものの、失点シーンではその弊害からマークがルーズになったのではないか。

 4BKにしてCBにはマンマークの受け渡しを明確にし、両SBにも役割分担をハッキリさせたほうが良かったのではないか。SB酒井宏樹(浦和)とCB冨安の負傷離脱という誤算もあったが、こちらは今後の検証課題にすべきだろう。

屈強なタレント

 森保監督は前回ロシア大会の反省点として、劣勢の試合でもクリアに逃げずパスをつないで攻撃に転じる重要性を指摘していた。

 しかし、アジアならともかくW杯の舞台では厳しいことも思い知らされたカタール大会だった。

 1トップの前田や浅野は、前線からの献身的なチェイシングで日本の攻守に貢献した。さらに、ゴールという結果も出した。

 しかし、ポストプレーに関しては“世界レベル”ではなかった。彼らが余裕を持ってプレーできるような、いいパスとサポートがなかったことも一因である。

 クロアチア戦でも、なんとかクリアを前線の1トップにつなげようとしたが、ボールを収めることができずに波状攻撃を食らった。

 やはり前線の1トップには、ボールを収められる屈強なタレントが日本代表には必要だ(日本国籍を取得できる選手を含めて)。

 そしてチーム全体としても、海外組の“レギュラー選手”の増加により“経験値”は確実にアップした。

 ただし、それでもプレスを受けながら“余裕を持って”ボールをキープできる、あるいはパスにつなげられる選手は、まだまだ少ないことが今大会の4試合でわかった。

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