浅野や田中を1~2人目で起用していたら、PK戦はもう少しもつれたのではないか
昔からサッカーでは「PK戦はギャンブルのようなもの」と言われてきた。どちらが勝つかは“運次第”のところもあるからだ。しかし、クロアチアとのPK戦は、両国の経験の差が出てしまったと言わざるを得ない。
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クロアチアは前回2018年ロシア大会で、ラウンド16のデンマーク戦と準々決勝のロシア戦を、いずれもPK戦で勝ち抜いた。
しかし、日本代表がW杯の試合でPK戦を経験したのは、それこそ2010年南ア大会のパラグアイ戦まで遡らなければならない。それを象徴するのが、ファーストキッカーのMF南野拓実(モナコ)だった。
コイントスの結果、PK戦は日本サポーターが陣取るゴールで行われることになった。先に蹴るのも日本だ。この時点で、日本はかなり有利になったと思った。
PK戦は、先に蹴るほうが成功させれば、相手にプレッシャーをかけることができる。2人目、3人目と進めば、その重圧が倍増するからだ。しかし、そこに落とし穴があった。
試合後、森保一監督は、PK戦のキッカーについて「選手たちに決めてもらいました」と打ち明けた。エースナンバー『10』を背負い、これまで森保ジャパンを牽引してきた南野が志願した気持ちはわかる。
しかし彼は、この試合中に何度、右足を強振してシュートを狙ったか。マーカーを翻弄するような余裕を持ったプレーができたか。
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