江沢民死去で思い出す1998年11月26日の宮中晩さん会 日本人が不快感を覚えた中国の非礼
自民党も中国を批判
本題に戻れば、大半の新聞社は野中氏の反論をそのまま伝えただけだった。しかし、週刊新潮の記事を精読した上で解説を書いた新聞社もあった。
読売新聞は同年12月6日、「江主席、宮中晩さん会に中山服 文化の相違に留意を(解説)」との記事を掲載した。
文中では、日本と中国の政府関係者が事前に協議を行い、中国では「燕尾服を着る習慣がない」ことを確認。「江氏は中山服を着用する」という線で調整を図ったという裏舞台を紹介し、次のように続けた。
《中山服に対する否定的見方が出る背景には、「中国国内で江主席が中山服を着るのは、中央軍事委員会主席として人民解放軍幹部に訓示する場面が多い」(日中関係筋)という軍事色の強いイメージが影響している。これを日本側が江主席発言とダブらせ、不快感を増幅した》
《中山服姿の江主席が天皇、皇后両陛下を前に「日本軍国主義は対外侵略拡張の誤った道を歩み」と指摘、「痛ましい歴史の教訓を永遠にくみ取らねばならない」と発言したことと重ねあわせ、三日の自民党外交関係合同部会では、対中批判が噴出した》
覇権主義の原点
現在、中国は台湾に対して“覇権主義”をむき出しにしている。週刊新潮の記事には、今の状況を予言したかのような記述がある。
《中国の軍部には2000年までに香港、マカオの次に台湾まで統一するという“統一時刻表”というものが存在します。軍部には根強い日本への反発が存在し、同時に台湾は最大の問題として残っている。江沢民がああいうパフォーマンスをやらざるを得なかったのは、彼ら軍部を意識してのことですよ》
[4/4ページ]