サッカー日本代表の快挙で思い出される「スポーツ界最大のジャイアント・キリング」とは

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ブライトンでの一戦

 過去のサッカーW杯を見て、開幕前の盛り上がりや代表チームへの注目度は今大会が最も低かったと言っても過言ではないかも知れない。そんな代表がドイツ、スペインを連続撃破するジャイアント・キリング(番狂わせ、あるいは大番狂わせ)を果たした。もちろん、これは偶然ではなく必然だという見方もあるだろうが、世界中を驚かせるような出来事だったのはたしかだろう。

 この快挙によってサッカー日本代表への注目度は最高潮に達したといってもいい。
一方で、日本が関係したジャイアント・キリングといえば、ほんの数年前の「あの快挙」を忘れないでほしい、というのがサッカー、ラグビー両方を取材したことがある記者。

「サッカー日本代表は今回、W杯優勝経験国を続けて撃破しましたが、それでもなお1番のジャイアント・キリングは、2015年のラグビーW杯で日本が南アを打ち負かした一戦だと思います。世界で最大の番狂わせ、という評価すらありました」

 この時のW杯はイングランドで開かれ、南ア戦の舞台は港町のブライトン。今回、「1ミリの奇跡」を成し遂げた、サッカー日本代表の三笘薫が所属するのが同じ地域にある、プレミアリーグ・ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFCだ。

超長期合宿

 南アはこの大会で3位となったが、優勝することになるオールブラックスことニュージーランドと準決勝とぶつかり、2点差で惜敗した。

「そのような結果もさることながら、大会前から日本の組み込まれたグループリーグは南ア、スコットランドの2チームがノックアウトステージへ進出するという下馬評が圧倒的でした。日本国内でもスコットランドに勝てるか否かに焦点が当たっていたように思います」(同)

 その一方で、代表チーム内で共有されていたのは、「南アをいかに倒すか」ということだった。

「相手を徹底的に分析し、準備し、プランを決め、それを冷徹に実行していく。その実現のためには、当時のエディジョーンズ・ヘッドコーチ(HD/現・イングランド代表ヘッドコーチ)は過酷な練習を厭わず、超長期間の合宿で選手をネチネチと締め上げて行きました」(同)」

 当時も、そして“今もなお”ではあるが、日本はラグビー伝統国(ティア1)に入ることができず、国の威信をかけるテストマッチの面で恵まれないポジションにあった。それを補うべく長期の合宿が組まれたわけだ。

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