「やさぐれ」で注目の薄幸 容赦なき“街イジり”が笑って許される理由
最近のお笑い界では「やさぐれ女性芸人」がちょっとしたトレンドになっている。建設現場で大工として働いていたことがある尼神インターの渚、スナック勤務の経験がありブレークするまでずっと多額の借金を重ねていたヒコロヒーなど、男勝りのワイルドな生き様を見せる女性芸人が次々に台頭してきている。
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そんな中で、やさぐれ女性芸人の代表的な存在と言えるのが納言の薄幸(すすき・みゆき)である。幸は黒のライダースジャケットに身を包み、タバコを吸いまくり、酒を飲みまくる豪快なキャラクターの持ち主だ。最近では、酒の席でのエピソードをまとめたエッセイ集を出版したり、酒を飲みながら芸人仲間とトークする番組をやっていたり、趣味と実益を兼ねた「やさぐれ仕事」もどんどん増やしている。
納言が注目された最初のきっかけは、街をディスる(悪く言う)漫才を披露したことだった。「M-1グランプリ」の予選でこの漫才が話題になり、そこからバラエティ番組などにも呼ばれるようになった。
漫才の中で、幸はタバコを吸う動作をしながらさまざまな街を偏見交じりで強烈にイジり倒す。「鶯谷はションベンくせえ街だな」「神田の女はすぐ金券ショップに入るな」「小岩の女は膝小僧が汚えな」など、一切遠慮なしの容赦ないイジりが笑いを誘う。
字面だけ見れば相当きついことを言っているはずなのに嫌な感じにならないのは、そのキャラクターによるものだろう。やさぐれている彼女が「下から目線」で捨て台詞のように偏見を言うからこそ、笑って許してもらえるのだ。
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