「明太子のテーマパーク」が全国に大展開 年間来場者数“600万人”の人気を博す理由
キッズコーナー拡充は、次世代への“先行投資”
これ以降、工場に併設する形で「めんたいパーク」が次々と作られていった。作るほどに内容が充実していき、4ヵ所目の「伊豆」からはキッズコーナーが拡大。大きなすべり台やボルダリングまである。
「好奇心旺盛、元気なお子さんにボルダリングは大人気です。コロナ禍でお子さんを遊ばせる場所がない、遊園地はお金がかかる。それなら、うちのめんたいパークで遊んでもらえるようにしようと、安全で楽しいコーナーづくりに注力しました」
無料で遊べるキッズコーナーを拡充したのは、一種の“先行投資”だという。
「会社内ではずっと言ってることなんですが、明太子をいつも食卓にあるものにしたいんです。試食してもらって小さい時から味に馴染んでもらい、20年後、さらには次の世代に繋いでくれると嬉しい。“あそこ楽しかったね”と、かねふくの名前を覚えてもらえればありがたいです」
ところで本題、なぜ福岡県以外にめんたいパークを次々と作ったのか?
「博多発祥の会社ですし、辛子明太子が博多の名産品であるという部分は大切にしています。しかしその一方で、今や明太子はおにぎり、パスタ、お菓子など、全国的に食材として広く使われています。原料のスケトウダラはアメリカかロシア産がほとんどで、元々、博多では獲れません。美味しい明太子を安定的かつ早く届けるために工場を増やし、めんたいパークも作りました。めんたいパークの売店では、工場出来立ての美味しい明太子が買えます」
辛子明太子は誕生して70年以上を経て、“博多の名産”から“国民食”へと成長していた。