藤浪晋太郎は「メジャー断念」の危機も…米移籍を目指す選手への“厳しすぎる評価”
苦戦が続く日本人メジャーリーガー
各球団の秋季キャンプも終わり、本格的にオフとなったプロ野球。ストーブリーグは、近藤健介(日本ハム)の去就が12月1日現在では不透明だが、それ以外の国内FA選手は契約がまとまり、大きなイベントは9日の現役ドラフトを残すのみとなった。そうなると、今後注目を集めるのがメジャー移籍を目指す選手の動向だ。山崎康晃(DeNA)はチーム残留を決めたものの、千賀滉大(ソフトバンク)が海外FA、吉田正尚(オリックス)と藤浪晋太郎(阪神)がポスティングシステムでの移籍を目指すと報じられており、これから移籍先を決めることとなる。【西尾典文/野球ライター】
しかし、ここ数年メジャーへ移籍した日本人選手のプレーぶりを見てみると、期待された結果を残している例は少ない。今年も二刀流で大活躍した大谷翔平(エンゼルス)以降、メジャーに移籍した選手は菊池雄星、秋山翔吾、筒香嘉智、山口俊、沢村拓一、有原航平、鈴木誠也の7人がいるが、今シーズン終了時点までメジャーでプレーし続けていたのは菊地と鈴木だけ。この2人もそれほど目立つ成績は残していない。
大谷以前に海を渡った選手を見ても、メジャーに残っているのはダルビッシュ有(パドレス)と前田健太(ツインズ)だけで、前田は今年、トミー・ジョン手術を受けたリハビリでシーズンを全休している。
野球の質の変化
なぜ、ここまで日本人選手の苦戦が続いているのだろうか。メジャーも担当したスポーツ紙の記者によると、“野球の質”の変化が原因ではないかと指摘する。
「日本でもあらゆるデータを分析するようになっていますが、やはり、メジャーの方が一歩も二歩も先を行っていると思います。投手の投げるボール、野手の打球やスイングについて、どんどんデータが蓄積されて、すぐに分析される態勢が整っている。そういった野球への対応力が求められています。少し結果を残すと、すぐに弱点を見つけられて、そこを徹底して攻められることが多い。日本人選手に限らず、何年も続けて安定して成績を残すことが難しくなっています。結果を残し続けるには、圧倒的なスピード、パワーを維持できないといけない時代であることは間違いないですね」
大谷やダルビッシュは、メジャーに移籍してから体格が立派になっており、日本時代と比べても明らかにパワーアップしている。日本と同じ感覚でそのままプレーしていても、結果を残すことが難しいことは、彼らを見ても明らかだろう。
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