「紅白歌合戦」K-POP急増の理由は? 中森明菜、松田聖子のサプライズ出場は「ほとんど絶望的」
演歌界のしがらみを嫌った?
ところで、前出の石川氏は演歌枠について、
「毎年削られて、今年に至っては石川さゆり(64)、坂本冬美(55)、天童よしみ(68)、水森かおり(49)、三山ひろし(42)、山内惠介(39)。特別枠の氷川きよし(45)を加えても7組だけです。われわれのような、昭和の演歌や歌謡曲を聴きたい高齢者のことは、もう眼中にないんですかねぇ? いまやリアルタイムでテレビを見るのは高齢者。われわれはコタツに入って、年越しそばを食べながら紅白を見るのが楽しみなんだ。そういう視聴者に支えられていることを、忘れないでもらいたいものですよ」
と、NHKに恨み節だ。さる芸能関係者に聞くと、
「昨年、五木ひろし(74)は紅白に出ませんでした。20年に出場した際、“みなさまに支えられてたどり着いた50回連続出場。私にとっても大きな区切りの一つとして、万感の思いを込めて歌います”と語り、50回という節目をもって紅白を卒業した、ということになっています。でも本当は、北島三郎(86)の51回という記録を超えたい、という希望が五木にはあるのですが、NHKが聞き入れないのです。演歌枠は削っていく、ということなんですね」
NHKにとっては、別種の面倒もあったという。
「演歌の世界は、特に以前は強烈な縦社会でしたから、局側も楽屋へのあいさつなどで手を抜けない。NHKとしては、そういうしがらみも嫌っていたのではないかと思います」(同)
演歌側にも敬遠される理由があった、というのである。
「今年の目玉は氷川きよし」
しかし、こうして演歌が斜陽のわりには、前出の芸能記者は、
「今年の目玉は、やっぱり氷川きよしでしょう」
と、言い切るのである。
「この紅白が休養前のラストステージで、NHKが三顧の礼で、紅組でも白組でもない特別企画枠で出てもらうことになった。事実上の“ジェンダーレス枠”で、いったいどんな姿で登場するのか興味津々ですし、芸能マスコミも大きく取り上げるに違いありません」
そうであるなら、演歌歌手や演歌好きには朗報ではないか、と思えば、さにあらずだという。
「すでにステージでも、性別だけでなく、音楽のジャンルを超えたパフォーマンスを披露してきていた氷川なので、演歌にスポットが当たることにはならないのでは。一方で、演歌歌手は彼の陰に隠れてしまうわけですから、演歌組が紅白にかけるモチベーションが下がっている、という話が聞こえてきます」