米ゴルフPGAツアーの「PIP」とは何か? 不可解なルールで2年連続1位はタイガー・ウッズ
米男子ゴルフのPGAツアーは、サンクスギビング(感謝祭)のホリデーに合わせ、11月22日に2022年のPIP(プレーヤー・インパクト・プログラム)の結果を正式に発表した。「PIPって何?」と思っている方々も、とりあえずそのまま読み進めていただきたい。【舩越園子/ゴルフジャーナリスト】
【写真】PIPのボーナス200万ドルを獲得する「日本人選手」
2年連続、1位はウッズ
栄えあるPIPの1位に輝いたのは2年連続でタイガー・ウッズ、2位はロリー・マキロイとなり、ウッズには1500万ドル、マキロイには1200万ドルのビッグボーナスが支給されることが伝えられた。
そこまでなら、ゴルフファンにとってもゴルフ関係者にとっても、別段の驚きはなかった。というのも、1位がウッズ、2位がマキロイであることは、正式発表に先立つ11月上旬、マキロイの口から「僕もタイガーにかなり迫ったんだけど、惜しくも負けてしまった」と明かされていたのだ。2位のマキロイに贈られるボーナスが1200万ドルであることも、その際に明言されていた。
しかし、PGAツアーによる正式発表の中には、人々を仰天させるこんな下りがあった。
〈PIPのボーナスは対象となる選手それぞれに、まず総額の25%が来年1月に支払われ、2023年シーズンに選手としての義務をすべて果たした場合のみ、残りの75%がシーズン終了後に支給される〉
つまり、ボーナスの25%は前金のような形で支払われ、残りは「やるべきことを全部やらなきゃ払わない」という縛り付きの2段階の支払い方式ということになる。
今年の活躍や健闘をねぎらって支払われるはずのボーナスが、まるで来年の義務をきっちり果たさせるための選手たちの足かせのように感じられる。PIPの在り方に首を傾げずにはいられない。
[1/4ページ]