五輪談合「200億円業務委託一覧表」を入手 バイトに日当「4万円」計上で予算を食い物に 仕切り役の組織委元幹部と受注業者の「ただならぬ関係」

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ただの「バイト」に4万2000円

 最も安い日当の単価は「サービススタッフ」。これは学生などが請け負うアルバイトだという。だが、バイトの割には「基準値」からして2万5000円とすでに高い。これも各社バラバラで、最も高額だったADKの会場では4万2000円。なぜこんなに数字にばらつきが出るのか。

「各社の言い値をそのまま反映させたからです。派遣スタッフを何人配置するかも業者からの申請に基づいています。基準値に基づいた予定価格を弾き出したのも電通などからの出向者で、そもそも発注者側に予算を抑えようという姿勢がないのです。適正な入札が行われていれば、こんなに数字が膨らまなかったはず。競争が働かなかった結果、五輪予算が談合業者によって食い物にされていたのです」(前出の組織委関係者)

 この組織委関係者によれば、組織委側で談合を取り仕切っていたのは、日本陸上競技連盟から出向していた大会運営局次長(当時)のM氏と、電通から出向していた同局テストイベント担当部長(同)のN氏。さらに電通本体に所属する担当者が加わり、3者で主導したという。

担当次長が肩入れした企業

 陸連出身のM氏は、入札でノウハウがない会社が受注することやマイナースポーツの会場に入札する企業があるかなどの不安を抱えていたと各紙で伝えられているが、組織委関係者は「明らかに特定の受注先に肩入れしていた」と証言する。

「セレスポです。セレスポは陸上競技の運営に強い業者で、M氏は陸連時代から同社と昵懇の仲だった。実際、組織委でもM氏の周囲はセレスポからの出向者で固められていました。組織委から経費が出なかった札幌出張中のホテル費用なども、セレスポが出していたと聞いています」

 リストによれば、セレスポは最も高額な予算が組まれたオリンピックスタジアムを含め、43会場中8会場を受注している。電通の11会場に次いで多く、受注総額は50億円以上で電通を上回っている。

「電通の本業は広告業務なので、会場運営は子会社などの下請けに丸投げするだけ。サッカーなど得意とする競技の会場は受注しましたが、他はノウハウもなく、引き受けるメリットもない。だから調整役に回ったのです。談合に加わった残りの業者は、おこぼれに預かっただけでもありがたいという感じでした」(同)

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