五輪談合「200億円業務委託一覧表」を入手 バイトに日当「4万円」計上で予算を食い物に 仕切り役の組織委元幹部と受注業者の「ただならぬ関係」

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予定価格より「25%」増しで発注

 特捜部と公取委は29日までに、独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で受注企業9社のうち8社の家宅捜索に入っており、捜査は本格化している。編集部が入手した内部資料は、テスト大会だけでなく本大会も含めた43会場の運営に関わる業務で、組織委が9社に発注した額などをまとめられた一覧表だ。談合によって受注企業がいかに不当な利益を得ていたかを物語る資料である。

 リストに記されていた43会場の発注金額の総額は約187億円。予定価格の総額は約149億円で、予定価格を発注金額で割った数値である「予定価格比」の平均値は125・8% だった。資料を提供した組織委関係者が解説する。

「会場の運営費とはすなわち、派遣されたスタッフの人件費です。予定価格もお手盛りなんですが、談合があったため発注金額も受注企業の“言い値”で跳ね上がっているケースが多い。この資料が作成されたのは延期前なので、実際にはこの金額に加え、コロナ対策費などが2~3割程度、水増しされています」

各社バラバラの日当

 最も高額だったのが、開会式などが行われたオリンピックスタジアムである。委託事業者はセレスポで、予定価格は約26億3838万円、発注金額は約34億5678万円、予定価格比は131%だった。2位は水泳競技が行われた東京アクアティクスセンターで、委託事業社はイベント制作会社「セイムトゥー」。予定価格は約8億2872万円、発注金額は約8億3376万円、予定価格比は100・6%。3位は卓球などが行われた東京体育館で、委託業者はセレスポ。予定価格は約7億1667万円、発注金額は約9億8822万円、予定価格比は137・9%だった。

 このリストで注目すべきは、右側に記された大会実施期間中に各社から派遣されたスタッフの「日当の単価」である。「運営統括」「チーフ」「エリアディレクター」「ディレクター」「サブディレクター」「アシスタントディレクター」などと項目が細かく分けられ、組織委が算定した「基準値」の金額とともに各会場の単価が記されている。

 この単価が委託事業者によってバラバラなばかりでなく、べらぼうに高いのだ。最も日当が高かったのは会場の現場責任者である「運営統括」で、基準値は14万円。だが、ADKと東急エージェンシーが委託した会場では20万円となっており、基準値を6万円も上回っていた。

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