「新庄剛志監督」編成への介入で…日本ハムは来季も“不安材料”が山積み

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チーム出塁率と得点数はリーグ最下位

 最後まで優勝、Aクラス争いが白熱した今年のパ・リーグにあって、5チームに大きく水をあけられての最下位に終わった日本ハム。投手では加藤貴之、野手では松本剛が大きく成績を伸ばしたものの、他球団と比べて戦力的に苦しい状況であることは間違いない。シーズン前に「優勝なんて目指さない」と話していた新庄剛志監督も、シーズン後には「優勝を目指せなかった」と語っている。【西尾典文/野球ライター】

 そんな新庄監督も来年は日本一に向けてぶれずに頑張っていくと発言。待望の新球場である「エスコンフィールド北海道」が開場するということもあり、期待の声も大きいが、オフのここまでの動きを見ていると、あらゆる点で不安が見えてくる。

 最も大きな痛手となるのが、近藤健介のFAによる退団だ。11月22日現在でまだ移籍が正式に決まったわけではないが、残留の可能性はほぼ消滅していると言える状況である。近藤は通算打率.307を誇るパ・リーグを代表するヒットメーカーで、毎年安定して4割以上の出塁率が期待できる稀有な存在である。日本ハムの今年のチーム打率はリーグ4位ながら、チーム出塁率と得点数はいずれもリーグ最下位で、そこから近藤が抜けるとなれば、さらに得点力が低下する可能性は高い。清宮幸太郎や万波中正、今川優馬ら、強打者タイプの選手が成長してきているものの、その穴を埋めるのは簡単ではないだろう。

積極的な補強に疑問の声も

 それでも来季は勝ちを求められるということで、日本ハムの編成は積極的な補強に動いている。11月19日にはFA宣言していた伏見寅威(前オリックス)の獲得を発表。トレードでも、阪神から右腕の斎藤友貴哉と、外野手の江越大賀を獲得している。

 一方、10月20日に行われたドラフト会議では、今年メジャーでもプレーしていた28歳の加藤豪将(メッツ傘下マイナー)を3位で指名して話題となった。昨年オフは、巨人を戦力外となり、12球団合同トライアウトに参加した古川侑利を育成契約で獲得しただけだったのを考えれば、球団としての意欲も感じられる。しかしながら、こうした補強に対しても疑問の声は少なくない。まず不可解だったのが加藤を3位という高い順位で指名したことだ。

「3位というのは正直、驚きましたね。メジャーでの実績はほとんどなく、外国人枠を使わなくても良いとはいえ、年齢を考えるとここから大きく化けることは期待しづらい。もっと下の順位でも指名できた可能性は高いと思います。過去にヤクルトが指名濃厚と言われていたマック鈴木を、オリックスが2位で指名したようなこともあるので、『念には念を』ということだったのでしょう。あとはメジャーを経験してきたことに対する敬意を示すということもあって、あまり低い順位では指名しづらかったということもありそうですよね」(セ・リーグ球団のスカウト)

 実際、加藤は2013年にヤンキースから2巡目という高い評価で指名されて、大きな話題となったが、メジャーデビューは9年目の今年と遅く、8試合の出場で1安打という成績に終わっている。

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