JFL鈴鹿・三浦泰年監督による「パワハラ騒動」の全内幕 背後にきな臭い動きも
排除された前オーナーの思惑
サッカー担当記者も、
「日刊スポーツのスクープを各紙が後追いした格好ですが、鈴鹿内部からリークがあったそうです。注目すべきなのは、報告書で泰年監督がGMやチームの運営会社の代表取締役を兼任していることが指摘され、権限集中を改善すべきだと書いてあること。パワハラをきっかけに、泰年監督を中心とした体制にメスを入れようとする意図を感じます」
そもそも「鈴鹿」は、一昨年に運営を担うアンリミテッド社の株式のほぼ全てを保有するオーナーが、選手たちに“あえて負けろ”と異例の指示を出した八百長未遂事件が起きている。
「これを問題視したJリーグは、『鈴鹿』の運営会社にオーナーが持つ株式を複数の第三者に分散して保有させるよう命じ、合意に至りました。その一環として三浦監督がチームトップに就任するとともに、運営会社の代表取締役も任された。今は新しい株主を誰にするか取締役会で話し合われる大事な時期で、排除された前オーナーとすれば三浦兄弟はJリーグから送り込まれた刺客に映る。だから、取締役会に自分の息がかかった子飼いの人間をねじ込み、影響力を残そうと動いているとも聞きます」(先の関係者)
「本業に専念したい」
そのタイミングでパワハラ騒動が起きたというわけだ。運営の主導権を巡っての“暗闘”が裏にはあるようだが、件の前オーナー氏の携帯に架電すると、
「ごめんなさい。私は今、まったくかかわっていないので、報道以上のことは分からないんですよ」
当の泰年監督にも電話で直撃したところ、
「第三者委員会の調査を待ってから適切に話をしたいと思っています。八百長未遂事件が起きた後、私が監督だけではなくGMも兼任していますが、今後、オーナーシップが速やかに移行されれば、本業に専念し監督として現場からチームを支えたいのが本音です」
チームを運営する会社の広報担当者は、
「報告書が流出したことは極めて遺憾でガバナンスの問題だと感じております」
混乱が続くチームをはたして立て直せるか。これからが三浦兄弟の正念場である。
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