「堺・父弟殺人」で無期懲役判決 被告が逮捕前につづった「日記」の中身【後編】

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単独犯で動機不明瞭

 激しい憤怒に身を焦がし、声に出したなら喉もかれそうな勢いである。以上のことからも、そして以下に記す19歳の次男の告白を通じても、朱美容疑者は身の潔白を主張するのだ。

「(中傷ビラを)母親が作った? ありえないですね。そんな回りくどいことしないんで、絶対。自分が疑われているタイミングでそんなアホなことはせえへんと思うんです」

 アホなことをするには理由があるはず、と考えるのは他ならぬ捜査当局も同様。判然としない動機解明に躍起になっているのだ。

「5月20日に1度だけ、府警に呼ばれました。ウソ発見器にかけられてね。“朱美がやったのにお前気付かんかったんか?”としつこく聞かれました。あとは“朱美はカネに困ってなかったんか。負債はあったか。姉弟仲は悪くなかったか”といった質問ですね」

 と話すのは、大一水道(朱美・聖光姉弟の父母が創業し、朱美が継承した会社)の従業員のひとり。彼は朱美容疑者と交際歴があり、現在もなお、捜査当局が「朱美容疑者の一番の理解者」と見なす人物である。

 もっとも、この人物が共犯者かというとさにあらず。

「確かに朱美一人で体格差のある弟を運べるのか疑問はありますけど、睡眠剤を飲むと一瞬、判断能力ががくっと落ちる瞬間がありまして。眠りに落ちずフラフラになって“こっちこっち”と誘導できるんです。今回もそのパターンで、単独犯だと見ています」(捜査関係者)

 とはいえ、

「動機の解明については半ばお手上げです。差し当たって朱美は黙秘を続け、弁護士にも、“自分はやっていない”と言うだけ。そのように思い込んでいるんでしょうかね」(同)

 朱美被告は最終意見陳述でも、「(言いたいことは)特にございません」と、黙秘を貫いた。

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デイリー新潮編集部

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