「パー券」「居眠り」で早くも窮地の松本剛明・新総務相 触れられたくない過去の“3つの問題”とは
家宅捜索
エリートの二世議員となれば、「叩けば埃の出る政治家」と思う方も多いだろう。ところが松本氏の場合、既に何度も「埃は出た」と報道されている。にもかかわらず、それを有権者のほとんどが覚えていないのは、あまり彼に知名度がないからだ。
「2004年4月に発覚した『国会議員の年金未納問題』に関連し、初めて松本さんの不祥事が報道されました。当時の小泉内閣の閣僚に、相次いで年金未納が発覚。野党は攻勢を強めようとしましたが、早い段階で松本さんの年金未納も発覚してしまったのです。新聞社の取材に松本さんの事務所は、『転職に伴う手続き漏れで一時期、未納だった』と釈明しました」(同・記者)
結局、当時は民主党の代表だった菅直人氏(76)も年金未納が発覚。責任を取って代表を辞任し、04年7月にお遍路に旅立ったことは大きく報道された。
「菅さんの陰に隠れた格好になり、松本さんに注目が集まることはありませんでした。そして翌05年10月、兵庫県警が松本さんの事務所を公職選挙法違反の容疑で家宅捜索を行います。新聞各紙は詳細を《違法文書の頒布》と報じました。公示前に私設秘書が、松本さんの自筆で『勝たせてください』などと書かれたビラを支援者に配布したという容疑でした」(同・記者)
事務所費問題
2007年5月、当時、現役の農水相だった松岡利勝氏(1945~2007)が自殺した事件をご記憶の方も多いだろう。「事務所費などの不透明な支出問題」が自殺の背景の一つとして解説されたが、実は松本氏も多額の事務所費を計上していたと報じられている。
「本来は家賃が0円である都内の議員会館に『主たる事務所』を置いているにもかかわらず、1000万円単位の事務所費を計上していた国会議員の存在が明らかになったのです。他の事務所で発生した家賃や光熱費、会合費などを付け替えるためでした。ちなみに自殺した松岡さんは、約3300万円の家賃を計上し、一部のメディアには『詳細は報告の必要がない』と取材拒否の姿勢を示しました」(同・記者)
松本氏が計上した家賃は約1800万円。付け替えについては毎日新聞に「地元事務所の家賃、通信費など」と弁明している(註)。
やはり野党が自民党を追及しようとしたが、松本氏も多額の家賃を計上していたため、気勢を削がれてしまったのは年金未納問題と一緒だ。
おまけに当時の民主党代表だった小沢一郎氏(80)は、何と4億1500万円を家賃に計上していた。代表の“同罪”で松本氏が難を逃れたのも、年金未納問題と酷似している。
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