プロ野球選手を最も多く輩出しているのは大阪府 逆に少ない都道府県といえば?
プロ野球ドラフト会議が10月20日に行われ、支配下選手69人と育成選手57人の計126名が12球団から指名を受けた。毎回この時期になると気になることがある。“プロ野球選手を最も輩出している都道府県は?”というものだ。
今年の結果も加え平成以降のドラフトを対象に調べてみると、100人以上のプロ野球選手を輩出している都道府県は以下の8つだった。
第1位 大阪府 296人(野茂英雄、ダルビッシュ有など)
第2位 神奈川県 191人(菅野智之、青柳晃洋など)
第3位 兵庫県 174人(古田敦也、田中将大など)
第4位 東京都 165人(松坂大輔、鈴木誠也など)
第5位 福岡県 161人(新庄剛志、今永昇太など)
第6位 千葉県 136人(高橋由伸、近藤健介など)
第7位 埼玉県 127人(小島和哉、松本剛など)
第8位 愛知県 122人(イチロー、大島洋平など)
ダルビッシュ有や田中将大、松坂大輔は出身高校のイメージが強いが、ダルビッシュは大阪府羽曳野市、田中は兵庫県伊丹市、そして松坂は東京都江東区出身である。この8都府県は人口の多い都道府県ランキングでもベスト10入りしており(残る2つは北海道と静岡県)、プロ野球球団の本拠地でもある。高校野球の強豪校も多いため、ある意味納得のいく順位といえる。では指名された選手が少ない都道府県はどこか。“ワースト5”を紹介する。
スーパースターは多く輩出も…
まず第5位だが、3県が20人で並んだ。今年のドラフトで1名ずつ指名され、3県が並んだのである。昨年までの結果では、高知県が単独で5位の位置にいた。高知市出身で“火の玉ストレート”で知られた藤川球児(元・阪神など)、現役なら中日の打てる捕手・木下拓哉(高知市出身)に、去年の阪神のドラ1だった森木大智(土佐市出身)などがいる。特に森木は高卒新人ながら今季1軍で2登板。来季、ローテーション入りが期待される若手の成長株だ。
高知県に並ぶひとつが長野県だ。代表的な選手としては現役なら横浜DeNAが誇る強打の4番・牧秀悟(中野市出身)、埼玉西武が誇る強力リリーフ陣の一角を担う水上由伸(上伊那郡宮田村出身)が挙げられる。特に水上は今季、60試合に登板し、4勝4敗31ホールド1セーブをマークし、一躍ブレイク。最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得すると同時にパ・リーグの新人王候補最有力とみられている。
ほか4人が現役だが、そこに今年広島に2位指名された高卒内野手・内田湘大(佐久市出身)がいる。内田は利根商(群馬)に進学すると打っては通算36本塁打、投げては最速149キロの直球を誇る“二刀流として活躍。甲子園出場経験はないものの、投打両面で高い評価を受けており、プロでも二刀流継続を希望することを表明した。どのような決断を下すのか注目である。
岩手県も20人だ。トロント・ブルージェイズの菊池雄星(盛岡市出身)とロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平(旧・水沢市/現・奥州市出身)という2人の現役メジャーリーガーに加え、最速164キロを誇る“令和の怪物”佐々木朗希とスーパースターを続々と輩出している。それだけに少し意外な結果といえよう。現役の岩手県出身選手は佐々木を含む8人がおり、そこに今回オリックスから3位指名された高卒右腕の斎藤響介(滝沢市出身)が加わった。在校中の盛岡中央では2年夏からエースとなり、3年夏の県大会では決勝戦まで進出し、惜しくも2-3で敗れた。3年間で1度も甲子園出場がない中央球界では無名の存在だったが、今夏の県大会2回戦で自己最速となる152キロをマークし、脚光を浴びることに。将来性豊かな本格派右腕は果たして“怪物の系譜”にその名を連ねる存在になれるのか、注目したい。
17人でワースト2位となったのが島根県である。代表的な選手には前・広島監督の佐々岡真司(旧・那賀郡金城町/現・浜田市出身)の名が挙がる。現役ならば福岡ソフトバンク所属のサウスポーで“最後の松坂世代”となる和田毅(出雲市出身)、阪神が誇る俊足好打の内野手・糸原健斗(雲南市出身)、そして先日読売から自由契約を宣告(なお、育成再契約される見込み)されたベテラン外野手・梶谷隆幸(松江市出身)も島根県出身だ。計6人が現役組。そこに新たに千葉ロッテから4位指名された社会人左腕・高野脩汰(出雲市出身)が加わった。先発、中継ぎ、抑えとあらゆる起用に応えられる器用さが持ち味で、直球と縦の変化球のコンビネーションが武器。岡島秀樹(元・読売など)を彷彿とさせるダイナミックなフォームは打者がタイミングを取りづらい。即戦力として活躍できそうだ。
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