「『中途採用』を『経験者採用』に」経団連の意図は? 「中身が変わっていない」と批判の声も
新卒一括採用にこだわり続けているのも経団連
呼び名を変えることで円滑な転職ができるように社会の変化を促す狙いもあるという。しかし、言い方を変えたからといって急に転職者が増えるわけでもあるまい。経団連は、以前にも「春闘」という言葉が闘争を連想させることから「春季労使交渉」に変えるよう求めたことがあったが、今も定着していない。
千葉商科大学准教授で、働き方評論家の常見陽平氏が言うのだ。
「経団連が“中途採用”という呼び名を変えて、雇用の在り方を多様化させたいというのは分かります。しかし、その一方で、いまだに新卒一括採用にこだわり続けているのが、これまた経団連の会員企業でもあるのです。言葉だけを取り替えるのではなく、例えば会員企業が経験者採用をどのぐらい行っているのか自らデータを公表するなど、具体的な行動が必要でしょう」