「『中途採用』を『経験者採用』に」経団連の意図は? 「中身が変わっていない」と批判の声も
「中途採用」と「経験者採用」は、どこが違うのか。答えは前者が使われなくなる言葉、後者はこれから使う言葉である。
経団連が毎年1月に発表する「経営労働政策特別委員会報告(経労委報告)」は、労使交渉における経営側のスタンスを示したものだ。その経労委報告の2023年版で「中途採用」という言葉をやめ「経験者採用」に統一するよう素案に盛り込むことが分かったのは、11月7日である。
当の経団連に聞いてみると、
「中途採用は、新卒一括採用がほとんどだった頃に主に使われていたもので、転職する人も少なかった時代の言葉です。また、“中途”は“中途半端”といった言葉に通じるなど響きも良くありません。転職することが普通になり、採用法も新卒一括の総合職だけでなく職種別のジョブ型が当たり前になっている今、中途採用というのは違和感があります。経団連でも『経験者・中途採用』という言葉を使っていますが、この際、『経験者』に一本化したほうがいいと考えたわけです」(広報担当者)
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