女性客も“お座敷遊び”で盛り上がる、有馬温泉「芸妓カフェ」 15年ぶりに十代「新人」も誕生の奮闘記

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『日本書紀』に、その名が記される兵庫県・有馬温泉。日本最古の温泉地とも言われ、太閤秀吉をはじめ数々の偉人が愛したこの地に、“芸妓がカフェでもてなす”という一風変わったお店がある。なぜ芸妓がカフェをオープンするに至ったのか――。【我妻弘崇/フリーライター】

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「芸妓さんのカツラはピンからキリまであるのですが、高価なものでは一つ100万円ほどするものもあります。自分の頭のサイズに合う“マイカツラ”をオールハンドメイドで作るため、とても高価になってしまうんですね。ちなみに、このカツラはモンゴルの方の髪の毛を使って、作られているんですよ」

 芸妓の口から次々と飛び出す裏話。知られざるバックヤードに、団体客のあちこちから「へぇ~」といった声が漏れる。軽妙に説明を続けるのは、有馬芸妓の一菜さんだ。

「芸妓は個人事業主なので、お着物やカツラにかかる費用もすべて自分で支払います。経費がかかるから、芸妓さんを呼ぶコストも安くないんですね」

 お座敷ゆえにこんな貴重な話が聞ける……、というわけではない。上記の話はすべて、有馬検番(芸妓が所属する事務所のような存在)が運営する「芸妓カフェ 一糸(いと)」での一コマ。団体客は、お抹茶と和菓子をほおばりながら耳を傾けているのだ。

 気になるカフェの利用料金は、1時間1名~5名で5万円(以後、6名~10名/6万円、10名~15名/8万円、15名~20名/10万円)。人数が多ければ多いほど割安になり、芸事やお座敷遊びなども体験させてくれる。

 それにしても、どうして芸妓がカフェでおもてなしを?

 芸妓と言えば、「夜」「高級な料亭(旅館)」といったイメージが伴うだけに、「昼」「カフェ」というのは意外な組み合わせだろう。カフェ営業を終えた一菜さんに、そう尋ねると、

「景気が良く、社員旅行などが活況だった昭和40年代、有馬芸妓は150人ほどいました。しかし、現在は13人まで減ってしまいました」(一菜さん、以下同)

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