面積は秋田県とほぼ同じ カタールの常識と非常識
「ドーハの奇跡」で盛り上がるW杯
11月23日のドイツ戦で歴史的勝利を挙げた日本。初のベスト8以上に期待がかかるが、今回ワールドカップが開催されたカタールは、過去の開催国と比べてもかなり異質。そもそもイスラム圏での開催は史上初である。
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カタールといえば、29年前に日本代表がイラク戦に負け、土壇場で本選出場を逃した「ドーハの悲劇」が起きた地としてなじみ深い。
それゆえ、ドイツ戦での勝利を日本のメディアは「ドーハの奇跡」と“もじって”伝えているわけだが、「悲劇」と「奇跡」の間に、日本代表以上に同国は成長していたようだ。
首都・ドーハは、豊富な石油と液化天然ガス資源を背景に、近年、大きな経済発展を遂げてきた。
豊かさの象徴「パール地区」
街には高層ビルが立ち並び、五つ星ホテルや高級レストランが軒を並べる。
そうした豊かさの象徴のひとつが「パール地区」だ。
もともと真珠採取を生業とする、貧しい漁村に人工島を造設したのが始まりだが、今ではランドマークとなる真珠のモニュメントを半円形に囲むように、ホテルや高級住宅が林立している。
このあたりはカタールの「光」の部分であり、W杯開催はその象徴ともいえるのかもしれない。しかし、問題は「影」のほうだ。
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