2年前に亡くなっていた「白木みのる」さん 本人が語っていた“てなもんや人生”

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“ざまあみろ”

 その白木みのるが久々にテレビに登場したのは、6年前、ミスターチルドレンのアルバムCMに出演した時だった。

「ミスターチルドレンと言われた時は、新しいチョコレートかと思いましたよ。コンサートに招いていただきましたが、残念ながらグーグー寝てしまいました」

 CM出演をきっかけに、テレビから声がかかるようになった。もともと、確かな基準があって彼を排除していたわけではなかったのだ。出演依頼の中にはあのNHKもあった。平成15~16年の連続テレビ小説「てるてる家族」である。

「話が来た時、“え~”ってびっくりしましたよ。NHKには絶対に出られないと思ってたからね。そりゃうれしかったですよ。電器屋の亭主の役でした。まあ、出たのは1シーンでしたが。ウソかまことかわかりませんけど、NHKの偉い方が、僕が出た瞬間は視聴率がワーッと上がった、と言っていました。そいで最終回にも出ることになった。ざまあみろと思ってね、それから受信料を払うようになったんです」

 あの紅白から40年余り。

「今では朝ドラも見ていますし、氷川きよしくんの『きよしとこの夜』に出たり、先日はラジオ番組から話が釆ました」

 現在、1年のうち160日間は北島三郎特別公演の舞台に立ち、それ以外は芦屋市の自宅で過ごす。

 自宅は3階建てのマンションだが、15室を賃貸にしている。他に、鳥取県内に両親のために建てた300坪の別荘、芦屋市内の弟夫婦が住む60坪の家、さらに淡路島には数万坪の土地を所有しているという。かつて借金まみれと伝えられた藤田まこととは、対照的である。

 白木はこれまで結婚を考えたことはないという。

「僕は寸法が足りなくて、一人前の人間じゃないからね、女性も困るだろうと思っていました。ずっと独りで暮らしたいな、と考えていたんです。もうちょっと頑張ったら故郷の大根島に小さな家でも買い、そこで暮らし、お墓を建てて死にたいですよ」

 長い間テレビから遠ざかっていた白木だが、人々は忘れることはなかった。「てなもんや三度笠」の放送はわずか6年間。何とも強烈な光芒(こうぼう)だったのである。(敬称略)

デイリー新潮編集部

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