「北条泰時は家族思いの人格者」は本当か? 美談のウラに隠されたカリスマなき指導者の「苦肉の策」
日本初の武家法典「御成敗式目(ごせいばいしきもく)」を定めた北条泰時。公平無私の性格に加えて気配りも上手だったとされ、家族や御家人などへの思いやりに満ちた美談にも事欠かない。
しかし、たいていの美談にはウラがあるもの。人気歴史学者の呉座勇一さんは、泰時が人格者としてふるまった背景には、その権力基盤の脆弱さがあったと指摘する。
呉座さんの新刊『武士とは何か』から、北条泰時に関する記述を再編集して紹介しよう。...