あわや「セルフ戦力外」危機も…FA行使を巡る驚くべき“3つの珍事件”
「FA宣言はしていませんよ」
今年で30年目を迎えたプロ野球のFA制だが、過去には制度導入直後で、ルールがよく浸透していなかったり、FA権行使後の見込み違いなどを理由とする珍事も何度かあった。そんなFAがもたらした“想定外の人間ドラマ”を振り返ってみた(金額はいずれも推定)。【久保田龍雄/ライター】
FA移籍引き留め料を加えた球団側のアップ提示に同意してサインしたはずなのに、FA残留したことに気がつかなかったのが、1994年オフの西武・渡辺久信である。
同年、9勝8敗の成績でチームの5年連続リーグ優勝に貢献した渡辺は、11月5日の契約更改で1億2800万円から65%アップの年俸2億1000万円の提示に満足してサインした。...