ジャニーズを辞めるとテレビに出にくくなる本当の理由
大手芸能プロへの「移籍」はまるで別
ジャニーズ事務所から大手芸能プロへ両者が納得の上で移籍する場合は事情が全く異なる。支障は生じない。例えば1988年に解散したシブがき隊 の本木雅弘(56)、布川敏和(57)、薬丸裕英(56)がそう。3人はいずれも別々の大手芸能プロか大手系列の芸能プロに移籍。退所後も以前通りに仕事に臨んだ。
田原俊彦は1994年に独立したが、当初は大手芸能プロと業務提携していた。だが、提携は2年で解消。提携していた間はフジ「世にも奇妙な物語」(1995年)などのドラマに出演したが、提携解消後は1本もドラマに出演していない。
「みんな大手芸能プロに移籍すれば問題がないのか」という人もいるだろうが、受け入れる大手芸能プロがあるとは限らない。やはりジャニーズ事務所に対して気を使う。独立した本人が大手芸能プロと組むのを嫌がる場合もある。サラリーマンが同業他社に移籍する際もシコリが生じやすいが、芸能界も同じだ。
ここ数年、芸能界は独立が目立つが、実際には水面下で元の芸能プロとつながっているというケースもある。独立というより、暖簾分けだ。
独立を歓迎する芸能プロはないに等しい。労力と資金を投じ、1人前になったところで、出て行かれたら、芸能界のビジネスモデルが土台から揺らいでしまうからである。
民放がジャニーズ事務所に配慮することもある。現状は同事務所の力を借りないと、ドラマもバラエティもつくれないからだ。
また、昨年8月に他界した故・メリー喜多川元会長が存命のころは民放トップから現場制作者にまで、メリーさんが太くて強固なパイプをつくった。メリーさんの逝去後の民放幹部とのパイプづくりは副社長を退任した滝沢秀明氏(40)が託されていた。
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