長澤まさみ主演「エルピス」にもつながる冤罪を生む素地 記憶捏造説を裏付ける「ショッピングセンターの迷子記憶実験」とは?
記憶は作り変えられやすい
長澤まさみがアナウンサー役を好演する社会派ドラマ「エルピス―希望、あるいは災い―」(フジ系、月22時~)は、死刑囚の冤罪事件をテーマとしている。目下、冤罪を晴らすべく動き回る長澤演じるアナウンサーは、ある「目撃証言」に迫っていくのだが……。
冤罪の要因は複数ある。捜査当局の思い込み、決めつけ、証拠の捏造、そして間違った証言等々。証言者に悪意がなくても、証言そのものは虚偽、というケースもある。
作家の橘玲氏は、最新刊『バカと無知―人間、この不都合な生きもの―』(新潮新書)で、人の記憶というものは極めて曖昧で作り変えられやすい性質を持ち、それが冤罪につながる可能性がある、と科学的知見をもとに指摘している。...