回転寿司で断トツ人気の「サーモン」は、かつて築地のプロから門前払いだった 知られざる「ノルウェーサーモン誕生秘話」

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漁場を広げて「サーモンイクラ」も準備

 今、ノルウェーでは年間、150万トンほどのサーモンが養殖生産されている。南西部の沿岸だけでなく、北極圏で育つブランド魚「オーロラサーモン」の人気も浸透。さらに近年は、漁場環境の保全を視野に、沖合域での養殖も増えたほか、陸上養殖も進められている。

 それだけではない。これまでなぜか味わえなかった「サーモンイクラ」も、ノルウェーでの生産をスタートさせたようだ。ある養殖業者は、先行き大規模な出荷も視野に試行錯誤の段階という。オルセン氏のサーモン寿司の可能性を信じた頑なな姿勢は、しっかりと日本に根付いている。イクラ生産が軌道に乗って今後、ノルウェーサーモンの親子丼が食べられるようになるのも、そう遠くはないはずだ。

川本大吾(かわもと・だいご)
時事通信社水産部長。1967年、東京生まれ。専修大学を卒業後、91年に時事通信社に入社。長年にわたって、水産部で旧築地市場、豊洲市場の取引を取材し続けている。著書に『ルポ ザ・築地』(時事通信社)。

デイリー新潮編集部

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