「野球が苦しい時も…」袴田彩会アナが語る仕事のウラ側 イーグルス優勝を願うも「複雑」な理由とは
フリーアナウンサーの袴田彩会さん(31)は今もっとも野球ファンに信頼された女性アナウンサーといって過言ではないだろう。「プロ野球ニュース」(CSフジテレビONE)の水曜日MCや、元千葉ロッテマリーンズ・里崎智也さんのYouTubeチャンネル「里崎チャンネル」のアシスタントを担当し、2021年には「好きなスポーツアナウンサーランキング・女性編」で1位を獲得した。
来月10日には写真集『Another』を発売するなど活躍の幅を広げる彼女の半生を2回にわたって紹介する。2回目は今年からMCを務めた「プロ野球ニュース」や、大胆すぎて止められたという写真集撮影の秘話、さらに愛する東北楽天イーグルスの来シーズンについても占ってもらった(全2回の2回目)。【徳重龍徳/ライター】
「実は野球がちょっと苦しい時もあったんです」
――袴田さんは「里崎チャンネル」での活動が、ほかの仕事につながっていますね。
どんどん繋がりました。野球の仕事を東北放送(宮城)時代もやっていましたけど、里崎チャンネルをやるまでは、私に野球のイメージはなかったと思うんです。でも里崎チャンネルに出たことによって野球をそこそこ知っている子なんだというイメージを持っていただいたんだと思います。
そこからMCの仕事がすごく増えました。2020年からは山本昌さんの番組「マサNOTE」でアシスタントもしていますが、YouTubeをきっかけに制作サイドがオファーをくれました。2021年には「好きなスポーツアナウンサーランキング・女性編」で1位にしていただき、そこからスポーツナビで私がMCの番組「袴田彩会の野球を語らナイト!」もスタートしました。
――ことし4月から「プロ野球ニュース」の水曜日担当のMCになりましたが、いかがでしたか。
番組開始までに、その日行われる全6試合をスタッフさんと一緒に見ますが、最初はどの試合を見たら良いかわからなくて、目が疲れていたんです。そこで、私は自分の好きな球団、イーグルスの試合を中心に見て、ほかの試合はピンポイントで場面、場面を追いかけるっていう形にしたら、楽になりました。
あと準備の時間がほぼないんです。全試合が終わってその日の1試合ごとにどういう話をしようかと、担当ディレクター、野村弘樹さんと話し合って「じゃあ、この選手のことを聞こう」と決め、進行台本ができるのが、だいたいオンエアの20分前なんです。そこから流れを確認しスタジオに入って、2分ぐらいでスタートなんですよ。なのでどちらかと言ったら本番やりながら次のこと考えてる感じですね。毎日ぶっつけです。
――「プロ野球ニュース」を1シーズン終えて、感想はいかがでしょうか。
里崎チャンネルで12球団を追いかけて、いろいろとわかるようになったという感覚ではあったんですけど、「プロ野球ニュース」をやったことで、より12球団への知識が深まった気がします。
今まではどちらかといったらパ・リーグの方を知っていて、パ・リーグファンの方とだったら大体しゃべれるかなという感じだったんですが、今は自信を持って12球団どこのファンとも「~選手いいですよね」「あの時、こうでしたよね」と話せる自信はあります。
――それができる人はなかなかいないですよね。
プロ野球の知識が年々深まっていってるなと感じていています。12球団がわかるようになると全体が見渡せるので、私、今すごく野球が楽しいんです。
実は野球がちょっと苦しい時もあったんですよ。局アナをやっていた頃は常に勉強勉強で知らないこともたくさんあるし、それを埋めても埋めてもすぐ出さないといけなかった。他球団のこともまだまだわからず、他球団のヒーローインタビューになったらできるかなと不安との戦いでした。
今は自分の知識にもそこそこ自信を持てるようにもなったし、野球を好きな方と会うのが、話すのが楽しい。野球に関して気持ち的に不安もなく満たされている感覚があります。
――袴田さんは現在、里崎智也さん、山本昌さん、野村弘樹さん、谷繁元信さん など、レジェンドとのお仕事も多いですね。
去年まではOBの方と話すのにもちょっと不安はあったんです。知らないことだらけだったので。でもこの1年、「袴田彩会の野球を語らナイト!」をはじめとする番組で、本当にいろんなOBの方とお仕事させていただいて、どんな方とでもお話できる自信がつきました。
私の強みと言ったらあれかもしれないですけど、当時のOBの皆さんのすごさを直にわかってないのかもしれません。もちろん勉強もしますし、すごい方なんだなとわかってお話するんですけど、リアルタイムには実感してないから「うわ!昌さんだ!」とならずに、冷静にお話しできます。どんなOBの方にも平等に、冷静にお話できているなと思います。
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