野球ファン人気No.1「袴田彩会」アナ 転機は「楽天」と「奇跡のお相手・里崎さん」

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フリー転身、そして里崎さんとの出会い

――お話を聞いていると東北放送での仕事は充実していたように思えますが、2018年3月に東北放送を退社し、フリーになります。なぜだったんですか?

 東北放送の経験はすごくありがたくて、いろんなことやらせていただいたんですけど、人生1回きりしかないからもっと違う世界をみたい、いろんなものを経験してみたいと思ったんです。それに、当時仙台に彼氏がいなかったので「結婚をこのまま仙台でしないのなら、いずれ出ていくのだろうし、だったら早い方がいいな」とも思いました。

 退社をするとは5年目の頭にはもう決めていました。そこからは転職活動じゃないですけど、早めに動こうと思い、「セントフォース」に入ることになり、オーディションを受け「TBSニュースバード」に決まりました。

――今度は報道のアナウンサーを務めるんですね。

 ただ結局1年で辞めました。令和に変わる時の特番も任せていただいて、とても貴重な経験をさせてもらいましたが、お芝居や元々やっていたダンスも踊りたい。もっといろんな可能性を見たいという気持ちが大きくなり、「人生は一度しかない」と強く思い、何も決まっていないまま事務所ごと番組を2019年5月に辞めました。

――そして、そこからすぐに袴田さんの人生を決める、里崎智也さんとの出会いがある。

 事務所を辞めた後は、フリーとしてラジオを1本だけやっていたんですが、その時にたまたま高木豊さんと知り合えたんです。高木さんのYouTubeチャンネルに出ていたら、「里崎がYouTubeを始めるから、アシスタントをやらない?」と言われて、「暇なんでいいですよ」とお仕事を受けたのが始まりです。

――イーグルスの取材はしていましたが、里崎さんとは面識はあったんですか?

 面識はなかったですし、事前の顔合わせもなく、最初の「里崎チャンネル」の収録がはじめましてでした(笑)。里崎さんもよく会ってもいない私でいいよとなったと思いますし、私もすごい軽いノリで受けました。

 2019年当時はまだそこまでYouTubeが浸透していない時期で、私もフリーになって時間があったので姉とのYouTube(「マイとアヤエの姉妹チャンネル」)を始めたばっかりだったので、ちょっと気楽にやってみようかなという気持ちでした。野球選手のYouTubeは今は多いですが、里崎さんのチャンネルは最初の方で、YouTubeのチャンネル登録者が爆伸び。コロナ禍に入り、さらにギュイーンって波に乗ったなって思います。

――面識のなかった里崎さんとのお仕事に難しさはありませんでしたか。

 初めて3年目になりますが、実は最初の頃の動画を見ると私はかなりちゃんと敬語を使ってます。今も敬語を使ってるんですけど、フランクにはなってると思います。

 当初はお互いどんな感じなんだろうはあったんですけど、里崎さんが皆さんご存じの通り、めちゃくちゃしゃべる方なので(笑)。何なら私は相槌を打ってるだけでもいいなぐらいの感覚でスタートしてます。でも話を聞いていると私の中で疑問も生まれるので、そこで質問をする。それぐらいの軽い気持ちで、里崎さんは動画が成り立つ人だったんです。

 私が頑張らなきゃ動画が成立しないっていう方じゃなく、お互い心地よく話せる相手で、ある取材を受けたとき、里崎さんに「すごく良い出会い。奇跡のパートナー」と言ってもらえてました。今もそう思ってくれていたらいいんですけど。

――「里崎チャンネル」に台本自体はあるんですか?

 台本はゼロです(笑)。企画も、里崎さんの頭の中に話したいことがあるので「じゃあ、次の動画いくわ」「何をしゃべるんですか?」「今もうぶっつけで言うわ」みたいなところから入る時もあります。

――すごいですね。まさに阿吽の呼吸。袴田さん的な神回とかはありますか?

 チャンネルの中で、お互いドッキリを掛け合っているんです。私がアシスタントを辞めますというドッキリと、里崎さんが私との写真を週刊誌に撮られたというドッキリがあって、2つとも私の中では今でも何回か見ちゃうぐらい面白い神回だったなとは思います。野球じゃないですけど。

――あの回は写真週刊誌風の記事は凝っていました。でも、実際に里崎さんと袴田さんの仲を勘違いする人じゃいませんか?

 チャンネルの視聴者さんは、私たちを見すぎているので、絶対思わないはずです。あのドッキリの週刊誌のような写真をもし本当に撮られたとしても「一緒にランチ行ったんやろう」ぐらいにしか思わないんじゃないかな。里崎チャンネルを初めて3年たって、視聴者の方が見てもいいコンビ感が生まれてるのかなと思います。

――里崎チャンネルの人気上昇とともに、袴田さんの人気も上がり、いろんな仕事へと繋がっていきます。

 そうですね、2022年4月からは「プロ野球ニュース」のMCもさせていただいていますし、可能性が広がりました。私の人生の分岐点はやっぱりYouTubeで、YouTubeのいい時に里崎さんと出会えたことだと思っています。

――シーズンオフになると「もし里崎さんがプロ野球のコーチになったら、里崎チャンネルはどうなるんだろう」とか心配にはなりませんか。

 なったらなったじゃないですか。それに里崎さんがコーチにならないのを知っているので。

 里崎チャンネルにすごく恩もあるし、ありがたい。だけど頼りすぎも良くないなともすごく思っています。もちろん、ずっと続けていけるのがベストですけど、なくなったらそれは里崎さんの選択なので。なくなったらなくなったで、私は私なりにできることをやるだけかなと思います。流れに身を任せ、やれることをやるという感じですね。

後編へつづく

徳重龍徳(とくしげ・たつのり)
ライター。グラビア評論家。大学卒業後、東京スポーツ新聞社に入社。記者として年間100日以上グラビアアイドルを取材。2016年にウェブメディアに移籍し、著名人のインタビューを担当した。現在は退社し雑誌、ウェブで記事を執筆。個人ブログ「OUTCAST」も運営中。Twitter:@tatsunoritoku

デイリー新潮編集部

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