【日本代表】カナダ戦 浅野琢磨はコンディション的に厳しい…収穫と言える2人の活躍

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鎌田と上田は収穫

 試合全体を通しては、両チームともオープンな打ち合いとなったが、ボランチの遠藤と守田を欠いたため森保監督は柴崎岳(レガネス)を起用し、トップ下にも南野拓実(モナコ)とかなり攻撃的なスタメンを採用。その起用が的中し、日本は柴崎のタテパスから相馬が先制点を奪ったが、この試合で森保監督はコスタリカ戦を想定した可能性が高い。

「最低でも勝点1」であり、「勝点3を目ざす」スタメンと選手起用だ。そのためには“点の取れる選手”が必要になる。後半は鎌田大地(フランクフルト)を初めてボランチで起用しつつ、堂安律(フライブルク)を得意の右MFに、1トップに上田綺世(サークル・ブルッヘ)を投入した。柴崎と鎌田のダブルボランチは、ある意味、日本にとって「スクランブル」な状況だろう。

 それでも鎌田は落ち着いたプレーと身体の強さでボール奪取に成功し、上田は見違えるようなポストプレーでFKを獲得、ゴール前では惜しいシュートも放った。2人が新境地を開きつつあることもカナダ戦の収穫と言える。

経験不足の山根

 そして最後に右SB山根視来(川崎F)である。攻撃での意外性が持ち味であり、後半44分には柴崎のスルーに抜け出し右ポスト痛打の一撃を放った。しかし、アディショナルタイムに相手を引っかけてPKを与えてしまった。決めていれば「天国」だったが、その数分後には「地獄」を味わったことだろう。

 最後のシーンでは、粘って身体を寄せるなどしてCKに逃げられれば理想的。それが無理でもタックルは余計だった。ここらあたり、やはり国際舞台での駆け引き、経験不足と言わざるを得ない。その意味でも酒井の復調に安堵したカナダ戦だった。

六川亨(ろくかわ・とおる)
1957年、東京都生まれ。法政大学卒。「サッカーダイジェスト」の記者・編集長としてW杯、EURO、南米選手権などを取材。その後「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。

デイリー新潮編集部

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