「舞いあがれ!」出演の山下美月だけではない…女優として活躍中の乃木坂46“現役メンバー”3人
現在放送中のNHK朝ドラ『舞いあがれ!』(NHK総合・毎週月~土・8:00~など)で主人公・岩倉舞(福原遥)の幼馴染・望月久留美を演じているのは山下美月(23)だ。彼女は女性アイドルグループ・乃木坂46の3期生。本作は元・欅坂46の長濱ねる(24)も出演しているが、現役メンバーが朝ドラの主要キャストで出演するのは快挙だ。
【写真】5年ぶり舞台に映画主演、コメディエンヌ…注目の乃木坂メンバーたち
山下は本作を含め、今まで10本のドラマに出演している。たとえば『着飾る恋には理由があって』(TBS系・2021年)ではしっかり者だが熱意や感情が表に出にくい“低温女子”を、『じゃない方の彼女』(テレビ東京系・21年)では大学の准教授と不倫関係に陥る“天然魔性系女子大生”を演じた。
だが、乃木坂46の3期生には山下以外にも“演技で魅せる”メンバーがいる。
まずは先日、舞台『キングダム』(2023年2月5日~/東京・帝国劇場)への出演が決まった梅澤美波(23)だ。梅澤といえば、1期生の齋藤飛鳥(24)や山下美月と共演した『映像研には手を出すな!』(テレビドラマと映画の連動企画で、ドラマは20年4月から5月にかけて全6話が放送。映画は同年9月に公開された)の出演で知られる。3人の女子高生がアニメ制作にまい進していく異色の青春ストーリーで、梅澤が演じたのは現実主義者で金儲けが得意なプロデューサー気質の金森さやかだった。極度の人見知りだが、アニメのアイディアを次々と生み出す主人公の浅草みどり(齋藤)とカリスマ読者モデルながらアニメーターを目指す水崎ツバメ(山下)にアニメ制作を勧め、映像研を立ち上げた重要人物だ。短気で厳しい性格で、アニメの知識も興味もないが、こだわりが強く作業が滞りがちな2人を叱咤し、コントロールする役目も担った。どこかトゲがあるようで実は独特の温かい雰囲気を醸し出していて、特に「これだからクリエーターは面倒くさい」と言い放ったり、白目を剥くシーンは秀逸だった。
本格的な演技を見せるのはこの作品以来のことで、舞台への出演は18年の『七つの大罪 The STAGE』の約5年ぶりとなる。古代中国の戦国七雄の戦争を背景とした漫画が原作で、梅澤は楊端和を演じた。山の民を圧倒的な力で率いる“山界の死王”と呼ばれる美しき女王で、女性ながらその武力は山界一。自ら先頭に立って山の民を統べていった。強さと美しさとカリスマ性を備える役で、グループで副キャプテンを務め、学生時代は空手と護身術を習っていた梅澤に似つかわしい役どころといえよう。
注目株は岩本蓮加
舞台といえばここ最近、久保史緒里(21)の活躍が目覚ましい。これまで6作に出演しているが、ターニングポイントとなったのが昨夏の『夜は短し歩けよ乙女』だった。京都の大学を舞台に、「先輩」(中村壱太郎)が想いを寄せる後輩の「黒髪の乙女」を演じた久保は、本作で舞台単独初ヒロインを務め、一躍舞台関係者の注目を浴びることに。
すると今年の9月から10月にかけて公演されたパルコ・プロデュース2022舞台『桜文』の主演に選ばれる。明治期を舞台に吉原随一の花魁をめぐる耽美な悲恋の物語で、彼女が演じたのは“決して笑顔を見せない”ことで知られる花魁・桜雅だ。グループの中でも特に清純なイメージが強い久保に求められたのは、妖艶な佇まいと美貌の裏に抱える悲しく苦しい過去だった。この2つのポイントを持ち前の高い演技力で見事に表現した。
今月11日からはウブでピュアな幽霊役を演じる主演映画『左様なら今晩は』が公開され、来年には伊藤沙莉主演の映画『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』にも出演する。
3期生最年少の岩本蓮加(18)はまだ演技経験は少ないものの、注目株の1人である。連ドラでは増田貴久主演の『吉祥寺ルーザーズ』(テレビ東京系・22年)に出演し、増田演じる安彦聡の過去を知る謎の女子高生・間宮リコを好演した。注目作は初出演にして宝田明とのダブル主演を務めた映画『世の中にたえて桜のなかりせば』(今年4月公開)だ。“終活アドバイザー”のバイトをしている不登校の女子高生・咲(岩本)が、同僚の敬三(宝田)とともに様々な境遇の人びとを手助けするうちに、自分の生き方と向き合い、新たな一歩を踏み出していくヒューマンドラマだった。公開前に急逝した宝田明の遺作でもある。約70歳差の超異例タッグの実現にあたっては、同作のエグゼクティブプロデューサーも務めていた宝田が配役を考えていたとき、スタッフから「乃木坂46の岩本さんはどうか」と提案されたという。宝田は亡くなる4日前に行われた完成披露舞台挨拶で「度胸のある子でまっすぐ。大女優の片鱗がある。大変な小娘でございます」と評している。
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