前田大然の母が明かす「サッカー部除籍事件」、母が結婚指輪を売って育てた浅野拓磨 「森保ジャパン」メンバーの濃すぎるファミリーヒストリー

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代表4名を輩出した「さぎぬまSC」

 この他、MFとして選出された相馬勇紀(25)=名古屋グランパスエイト=は、「印度カリー」で知られる「新宿中村屋」の創業者・相馬愛蔵の玄孫に当たるお家柄。両親は学生時代テニスプレーヤーで、父親が練習パートナーだった関係から、あの松岡修造とも家族ぐるみの付き合いだという。

 また、今回の代表26名の選手中、4名を同じサッカークラブが輩出するという、奇跡のような話もある。

 GKの権田修一(33)=清水エスパルス=、DF・板倉滉(25)=ドイツ・ボルシアMG=、MF・三笘薫(25)=イングランド・ブライトン=、同じくMFの田中碧(あお)(24)=ドイツ・デュッセルドルフ=は小学生時代、川崎市宮前区で活動する「さぎぬまSC」で練習を積んでいた。

 同クラブの澤田秀治代表は言う。

「ただただ驚きで感無量です。何が良かったのかわかりませんが、うちのクラブは卒団生が指導にずっと来てくれますし、父兄の皆さんも半数が審判の免許を取るなど非常に協力的。そんな面倒見の良さが結果につながったのでしょうか。カタールでは、権田がシュートを止め、そのボールを板倉がつなぎ、田中がパスを出して三笘が決める――そんなシーンがあったら夢のようです」

ドーハの悲劇のビデオは「今でも見ていない」

 そして、これらそれぞれの背景を持つ26人を一つに束ねるのが、将たる森保監督その人だ。その監督にももちろんドラマはあって、

「この夏にお会いした時に、“ドーハの映像を見られるようになりましたか”と聞いてみたんです」

 と言うのは、前出の中野編集長。

 森保監督は現役時、サンフレッチェに所属し、日本代表に選出。1993年、翌年のW杯アメリカ大会の予選に出場した。しかし、勝てば本戦出場が決まる最終イラク戦で、1点リードした後半ロスタイムに同点ゴールを決められ、W杯を逃す“悲劇”を味わっている。舞台となったのは、カタール・ドーハ。奇しくも今回挑むW杯の開催地だ。

「以来、一度もあのビデオを見たことがないというのは聞いていましたが、今でもそうか気になって。すると“今でも見ていませんね”との答えでした。来年でドーハの悲劇から30年ですが、“あれ以上の悲しい思いをすることはない。いい経験ができたと今は思うようにしています”と言っていました」

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