前田大然の母が明かす「サッカー部除籍事件」、母が結婚指輪を売って育てた浅野拓磨 「森保ジャパン」メンバーの濃すぎるファミリーヒストリー
「家を建ててくれた」
この中学時代、鎌田はけがに見舞われたこともあり、高校進学の際にはガンバユースに進むことができなかった。
「これも本人は大ショックでした。ただ、大地には将来、欧州チャンピオンズリーグで勝てるチームで活躍するという明確な目標があった。だからこそ、そこに向けて自分なりに努力し続けることで挫折を乗り越えられる力が自然と身に付いていたのかなと思います」
その通り、鎌田は進学した京都・東山高校での活躍が認められ、卒業後、サガン鳥栖に入団。5年前にドイツへ飛び、現在はフランクフルトで主力に。日本代表にも招集され、司令塔の役割を担うようになった。
苦労をかけた親への感謝も忘れず、
「最近は大きなプレゼントがありまして……」
と幹雄さんが続ける。
「兵庫県内に、家を建ててくれたんです。今年完成し、家族で暮らしていますよ」
実に孝行息子なのである。
仲間への“いじり”で部から除籍処分
「うちの大然にとっては、高校時代の挫折がその後の成長につながりましたね」
と振り返るのは、FW、つまり点取り役を担う前田大然の母・幸枝さんである。前田はスコットランド・セルティック所属の25歳。スキンヘッドが印象的な快足ストライカーだ。
「“大自然の中でのびのび育ってほしい”という願いで名付けました。うちは大阪の堺市で動物病院を経営しているんですが、後を継いでほしいとは思わなかった。アテネオリンピックで冨田洋之選手が金メダルを獲得したのに憧れ、体操を始めるのですが、体が硬くて……。で、友達に誘われて小学4年生でサッカーを始めるんです」
選手としては遅いスタートだが、持ち前の俊足で頭角を現し、山梨学院大学附属高校に入学する。ところが、ここで前田は致命的なトラブルを起こすのだ。
「1年生の時、監督の先生から“お伝えしたいことがありますので、山梨まで来てほしい”という電話が。夫婦で向かうと、“前田君の仲間への『いじり』がエスカレートして部の規律を乱している。他の保護者からもクレームが来ています。このまま部に置いておくわけにはいきません”と言われて。寮からも出て行くことになりました」
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