「トランプ氏の出馬演説は成功だった」…ケント・ギルバート氏が読む“2年後の共和党予備選”

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 アメリカ前大統領のドナルド・トランプ氏(76)が11月16日午前(日本時間)、自身の別荘「マー・ア・ラゴ」で会見を開き、2024年の大統領選に出馬すると表明した。日本のメディアも、ネットで生中継を配信するなど大きく扱った。

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 ちなみに、フロリダ州パームビーチに建つ「マー・ア・ラゴ」は、1920年代に建造され、アメリカの国定歴史建造物に指定されている。

 敷地は約7万平方メートル、部屋数は126。大統領だったトランプ氏が2017年2月、当時の安倍晋三元首相(1954~2022)を招待したことでも話題を集めた。

 トランプ氏はダンスホールに数百人の支持者を集めて出馬を表明。まさに億万長者の面目躍如と言えるだろう。

 ロイター(日本語・電子版)は16日、「トランプ氏、2024年大統領選に出馬表明 『米国を再び偉大に』」の記事を配信した。

 日本の主要メディアは、大半がトランプ氏の演説内容に触れていない。一体、どんなことをアメリカ国民に訴えたのか、ロイターの記事から引用しよう。

《同氏は演説で従来の移民批判を繰り広げ「われわれは毒されている」と語り、大都市で犯罪が急増し「血の処理場」になっていると訴えた》

《麻薬ディーラーへの死刑執行や議員の任期制限を推進し、新型コロナウイルスワクチン接種を拒否して除隊処分された軍職員を復帰させると述べた》

《一方、米国の選挙制度を批判しながらも、20年大統領選が不正操作されたという主張を繰り返すことはしなかった》

「評価できる演説」

 過激な主張が散見され、いかにもトランプ節という印象だ。もちろん穏当な発言もあった。日本の新聞社では珍しく演説について触れた日本経済新聞の記事(註1)からも引用しておこう。

《トランプ氏は約1時間の演説で、自身が大統領だった当時を振り返り「偉大で輝かしい国家だった。強く、自由な国だった。この2年間でバイデン政権は米国経済を破壊した」と強調。「米国の復活はいま始まる。我々は再び史上最大の経済をただちに構築する」と訴えた》

 タレントでカリフォルニア州の弁護士でもあるケント・ギルバート氏は、「総体的にはインパクト充分の演説だったと評価できるでしょう。出馬宣言としては成功したと見ていいと思います」と指摘する。

「特に未来志向の演説だったことに、アメリカの有権者は歓迎したはずです。トランプ氏といえば、敵対陣営を激しく批判することで知られています。ところが今回の演説で攻撃的な内容は意図的に控えられ、『アメリカをこういう社会にする』と訴えました。その主張には納得できるものも多々ありました」

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