お布施の刑事罰化を恐れる公明党、独断で動く河野大臣 揺れる統一教会問題、カギを握る“意外な人物”とは?
「野党との協議会が政局に利用されるのは明白。岸田総理の“お花畑的場当たり対応”ここに極まれりです」
自民党中堅議員は憤りを隠さない。野党をなだめるために設置された、旧統一教会の被害者救済法案を検討する自民・公明・立憲・維新の4党による協議会が行き詰まっているからだ。
最大の焦点は悪質な高額献金を規制する新法(以下、新法)の内容。岸田文雄総理は急転直下、新法を今国会に提出することを決めたが、マインドコントロールの定義や、法令違反に刑事罰を設けるかなどを巡って、議論はまったく進んでいない。
刑事罰化を恐れる公明党
協議会の行方に神経を尖らせているのが公明党。山口那津男代表は周囲に「デリケートな問題を拙速に決めるものじゃない」「岸田政権には思いが届かない」と不満を口にしている。
協議会関係者が解説する。
「公明党の支持母体・創価学会にとり、彼らが“財務”と呼ぶお布施や仏壇・仏具の購入が刑事罰の対象になることがあれば影響は計り知れない。一方、自民党は抑止力として刑事罰導入もやむなしとの考え。明らかに温度差があります」
温度差が生まれる理由――。それは岸田総理が“前門の虎、後門の狼”の状態にあるからだ。
総理周辺が語る。
「岸田総理が教会の問題に本腰を入れ始めたのは、河野太郎消費者担当相の影響です。河野大臣は独断で消費者庁に検討会を設置し、法案整備と質問権の行使を求める報告書を出してきた。支持率低下にあえぐ中、岸田総理は負けじと“私が責任をもって旧統一教会の問題を解決していきたい”と国会でたんかを切ったんです」
さしずめ河野氏は後門の狼。では、前門の虎とは。
「もちろん公明党。旧統一教会問題に弱腰だとは見られたくない半面、厳しい法律ができれば死活問題。取りあえず新法は年明けに先送りして、今国会は消費者契約法の改正でお茶を濁したいと考えていました」
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