ベビーカー論争で大荒れの元バレーボール日本代表・大山加奈…なぜ引退後の女性アスリートはSNS下手ばかり?

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引退しても日本代表? 皮肉な形で証明された強いアスリートの条件=メンタルの強さ

 大山さんにしろ安藤さんにしろ、あくまでも「善意での提言」という姿勢は崩さない。大山さんは「優しい世の中になるように」、安藤さんは「スタバ好きだから言うけど」というエクスキューズは添えている。いちクレーマーではなく、世間の声を代表して改善を求めるというスタンスは、日本代表だったプライドの名残だろうか。でもその自分と世間の境界線の無さが、「察してくれない」「思った通りに相手が動いてくれない」という思考グセにもなりやすいのかもしれない。

 自身の知名度を生かし、社会貢献や次世代の育成に取り組む元アスリートは多い。それは素晴らしいとはいえ、彼らの影響力がネガティブな形で働くとどうなるかについてはあまり取り上げられることもなかった。皮肉な形とはいえSNS炎上の日本代表例として、後輩たちの参考になることだろう。

 引退後も強く賢くサッパリした女性像を求め続ける世間と、引退後くらい好きにやらせてよという女性アスリートの溝は深い。彼女たちに寄せられる過度な期待を思うと、大変だなと同情する。とはいえ、炎上するくらいの我の強さやメンタルのタフさがないと、世界を相手に戦えないのだと納得する面も大きい。

 現役時代なら成績を出せば挽回できるが、引退後のイメージ回復はなかなか難しい。それも彼女たちにとっては損な側面だろう。いろいろと怒りもたまるだろうが、ストレスのコントロールには軽い運動がいいという調査もある。これからはSNSで個人にぶつける前に、現役時代のように体を動かしてみてはどうだろうか。

冨士海ネコ

デイリー新潮編集部

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