「もし“自閉症が治る薬”があったら、飲ませる?」 僕らはお兄ちゃんには飲ませない
設立4年で「日本オープンイノベーション大賞」「日本スタートアップ大賞」と、2度の受賞をするなど発展を遂げた「ヘラルボニー」。
大躍進を続ける同社の双子経営者、松田文登(ふみと)さんと崇弥(たかや)さん(現在31歳)にとって、出発点は生まれ育った環境にあった。「ふつうじゃない」って「かわいそう」なの? 僕らのお兄ちゃんは、なんで馬鹿にされなきゃならないの? ――四つ上の兄、翔太さんには重度の知的障害を伴う自閉症があった。
やがて起業を決めた文登さんと崇弥さんが社名として選んだのは、兄が子供の頃、ノートに書きつづっていた謎の言葉だった。...