習近平も乗らなかったインドネシアの高速鉄道、“中国製”の安全性に懸念? 日本に再び秋波を送るが

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G20は国際政治の「場所貸し」に

 G20でもインドネシアは他国に振り回された。バイデン大統領と習近平国家主席が揃う初めの首脳会議と世界的な注目が集まっていたところへ、ウクライナのゼレンスキー大統領のオンラインでの参加、ロシアのプーチン大統領の代理で出席したラブロフ外相が会議2日目を前に帰国、そして最終日の16日にミサイルがポーランド領に着弾して2人が死亡……と盛りだくさんの開催だった。

 特にミサイル着弾事案は大きな国際ニュースとなり、日米を含むG7首脳とNATO(北大西洋条約機構)による緊急首脳会議が16日午前に開催され、肝心のG20首脳会議の開始が遅れる事態も招いた。インドネシア側が必死に根回ししてきた首脳会議の共同宣言は、ウクライナ問題でロシアへの配慮も盛り込むことでなんとか採択に漕ぎつけた。

 しかし、恒例となっている各国首脳が揃っての記念写真撮影はキャンセル。インドネシア政府やジョコ・ウィドド大統領にしてみれば、目まぐるしく動く国際政治の舞台に「場所貸し」しただけの、踏んだり蹴ったりの会議となってしまった。

 ルトノ・マルスディ外相は開催前に「今回のG20は史上最も困難な会議になるだろう」と述べていた。終了後に「なんとか成功させた」とアピールするための布石の意味合いが強いが、インドネシアにしてみればその言葉どおりの結果となってしまったのは皮肉だ。

まだ試乗はあきらめず

「絵に描いた餅」となった習近平国家主席の試乗だが、インドネシアはまだあきらめていない。2023年6月と予想される完工・営業運転開始に合わせ、再び両首脳の試乗計画が今後浮上してくることになるはずだ。

 その時は、インドネシアからの招待を受けた習近平国家主席がジャカルタを訪問することになるか。もしこの時も乗らなかったら……注目である。

デイリー新潮編集部

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